くつを投げただけで犯罪になる!?弁護士が威力業務妨害を解説


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「怒りを感じたら、十数えよ。ひどく怒りを感じたら、百数えよ。それでも駄目なときは、千数えよ」

アメリカ合衆国の第3代大統領、トーマス・ジェファーソンの言葉です。
人間は、感情の生き物だともいわれます。感情があるからこそ人生は豊かになるものです。

しかし、気をつけてください! 怒りにまかせて行動すると犯罪につながることがあります。


事件はこうして起きた

2013年12月7日、特定秘密保護法案の審議中、参議院本会議場に靴を投げ入れたとして、警視庁麹町署は派遣社員の男(45)を威力業務妨害容疑で現行犯逮捕しました。

報道によると、男は6日午後10時50分頃、「強行採決するな!」と叫びながら履いていたスニーカーを傍聴席から本会議場に投げ入れ、議事を妨害したということです。

この日は、他に3人が大声を上げたとして退場させられ参院から厳重注意を受けたようです。

また、国会の外では法案に反対するデモ活動に参加していた無職の男(27)が、警備にあたっていた機動隊員につばを吐きかけ公務執行妨害の疑いで逮捕されたほか、道を通ろうとしたところを制止した機動隊員に体当たりをした男(63)も現行犯逮捕されています。


リーガルアイ

「威力業務妨害」とはどのような罪でしょうか。「刑法」の条文をみてみましょう。

「刑法」第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。


前条とは、第233条をさします。

「刑法」第233条(信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。


今回のケースは、国会審議という国会議員の業務を、靴を投げるという威力で妨害したということです。


ところで、「威力業務妨害」にあたる行為には、どのようなものがあるのでしょうか。
過去にさまざまな判例があるので、その一部を紹介しましょう。

・進行しようとする自動車の前後に石やドラム缶を置いた
(東京高判昭45.2.19判タ249-241)

・演劇開始直前に土足で舞台に上がり、演劇を中止させると怒号した
(仙台高判昭25.2.14判特3-114)

・競馬場の本馬場に平くぎ一樽をまいた
(大判昭12.2.27新聞4100-4)

・タクシー会社の労働争議に際し、車両の車輪を撤去した
(東京高判昭43.11.28高集21-5-605)

・デパートの食堂配膳部にヘビ20匹をまき散らした
(大判昭7.10.10集11-1519)

・猫の死がいを被害者の事務机引き出し内に入れておき、同人に発見させた
(最決平4.11.27集46-8-623)

・国体の開会式場で防犯ブザーを作動させ、発煙筒を点火して投げつけた
(仙台高判平6.3.31判時1513-175)

・弁護士から重要書類の入ったカバンを奪取し隠匿した
(最決昭59.3.23集38-5-2030)

大人げない、いやがらせのようなものからホラー映画に出てくるようなものまで、人間というのは、じつにさまざまなことをしでかしてしまうものです。

しかし、たんなる「いやがらせ」では済まないことになってしまえば、

 

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