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検証!自動運転車実用化への法的問題点とは?


イラスト 119

ドライバーが運転せずに自動運転で走行する、いわゆる「自動運転車」の開発が急ピッチで進んでいるようです。

技術的な部分の開発はどのくらいまで進んでいるのか、報道で取り上げられる機会も増えてきましたが、同時に自動運転車の走行に関係する法律についても考える必要があります。

もし事故を起こしてしまった場合、誰の責任になるのでしょうか?

問題の核心をチェック

「自動運転実験車、公道で事故=民放リポーター乗車、けがなし―愛知」(2015年11月5日 時事ドットコム)

2015年10月22日、公道実験中に自動運転車が自損事故を起こしていた。

これは名古屋大学が開発を進めている自動運転車で、名古屋テレビの女性リポーターが運転し、助手席には実験責任者の准教授が同乗。
名古屋市守山区の交差点を左折しようとした際、縁石に乗り上げて左前輪がパンクした。

事故の報告を受けた愛知県産業振興課は、大学が事前に提出した計画書では研究者が乗ることになっていたとして、同大学に厳重注意をするとともに再発防止のために実証実験に関するガイドラインの作成を求めた。

市販のトヨタ・プリウスに自動運転機能を搭載した実験車は、運転席からハンドルやブレーキペダルなどの操作はできるようになっていた。

「研究者以外の人間が運転席にいたため、ハンドルやブレーキの操作が遅れた可能性がある」と同課はコメントしている。

なお、乗っていた4人にケガはなかった。

日本での自動運転車の歴史は意外に古く、1980年代にはすでに車線を自動認識して走行するシステムを試作していたという。
しかし当時は、実用化には否定的で消極的な風潮があったため、開発はあまり進展しなかった。

それが2010年代に入ると、自動運転車の開発が一気に動き出す。

アメリカやヨーロッパで公道実験が行われるようになり、Google(グーグル)社やテスラー社などが積極的な開発に乗り出すと、日本でも日産が2013年に公道実験を開始し、トヨタやホンダ、スバルなども相次いで参入した。

グーグル社は2014年、自動運転車の総走行距離が100万キロメートルを突破。
2015年には、テスラー社のシステムは日本以外では高速道路での走行が一部認可され、プログラムの配信を開始した。

一方、日本ではトヨタが高速道路での報道陣向けの試乗会を2015年に開催。
日産は、2020年の実用化に向けて早くも一般公道での報道陣向けの試乗会を開催している。

リーガルアイ


世界的に期待される自動運転車ですが、さまざまな問題も起きているようです。

「システムは未完であり、完全な自動運転ができるわけではない。自動運転中に起きた事故については一切責任を負わない」

これはテスラー社が公表している「警告」ですが、にも関わらず一部ユーザーが一般公道でハンドルから手を離して新聞や本を読んだり、運転席から離れて後部座席でふんぞり返ったりといった様子を動画に撮影し、投稿サイトに続々とアップしているようです。

これらの動画の中には事故を起こしかけるなどの危険なシーンも投稿されていることからも、今後こうした事態が日本でも起きる可能性は十分あるといえます。

万が一、事故が起きれば、自分だけでなく他人を傷つけ、命を奪ってしまう危険もあります。

そうした場合、現状の日本の法律では自動運転車についてはどのように規定されているのか見てみましょう。

「道路交通法」では、安全運転の義務について次のように規定しています。

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