詐害行為と詐害行為取消権とは?自宅を妻に贈与したら債権者から訴えらる!?


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債権者と債務者の間では、しばしば問題が発生するものです。

今回は、そうしたトラブルのひとつである「詐害行為」について解説します。

問題の核心をチェック

Aさんという人が大きな借金を抱えてしまいました。

財産よりも借金の方が多くなってしまった状態、つまり債務超過です。
もう現金はなく、唯一の財産は自宅の家と土地だけでした。

すると、ある日突然、金融機関から訴状が届きました。
それは、「詐害行為取消訴訟」に関するものでした。

じつはAさん、唯一の財産である自宅と土地を妻に贈与していたのです。

これは、「詐害行為(さがいこうい)」と呼ばれ、債務者が債権者を害する行為だとして贈与を取り消されてしまうことがあります。

このような場合、債務者はどうすればいいのでしょうか?

リーガルアイ




【詐害行為取消権とは?】
詐害行為については、「民法」の第424条から426条に規定されています。

条文を見てみましょう。

第424条(詐害行為取消権)
1.債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。

2.前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。


第425条(詐害行為の取消しの効果)
前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。


第426条(詐害行為取消権の期間の制限)
第424条の規定による取消権は、債権者が取消しの原因を知った時から2年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。



詐害行為取消権の要件についてまとめると次のようになります。

①債権者を害する客観的要件
②債務者が債権者を害することを知っていたこと(主観的要件)
③受益者または転得者が債権者を害することを知っていたこと
④財産権を目的とする法律行為であること
⑤詐害行為取消権行使が、債権者が取消しの原因を知った時から2年、あるいは行為の時から20年を経過していないこと


大きなポイントとして、「債権者を害する」という部分がありますが、これは「債務者が自分の資産を減少する行為をすることで債権者が十分な弁済を受けることができなくすること」となります。


【債務者の救済策とは?】
では、債務者としては金融機関や債権回収会社から訴状が届いた場合には、どうすればいいのでしょうか?

具体的には、前述の詐害行為取消権の要件について欠いている部分を見つけ出して主張、立証していかなければいけません。

たとえば、次のようなことがあげられます。

・本件は債権者を害していない
・行為の当時には、債務者は債権者を害するという認識はなかった
・受益者または転得者は、利益または転得した時点で債権者を害するという認識はなかった
・本件は財産を目的とする行為ではない
・債権者は、本件行為を知ってから2年以上経過してから取消権を行使した

しかし、実際に詐害行為取消権について理解して、なおかつ相手側の主張を細かく調べて自分の主張を立証していくのは、法律の専門家でなければ非常に難しい作業になります。

やはり、問題が起きた時には弁護士に相談するのが現実的な対応になると思いますが、まずは過去の判例を確認して、ご自身のケースと照らし合わせてみることをお勧めします。


【判例】
①「大審院明治39年2月5日判決」
相当の価格による売却であっても債務者の財産が消費しやすい金銭に変わるから詐害行為となる。

②「大審院大正13年4月25日判決」
債務者が、ある債権者に対する債務を弁済するため相当の価格で不動産を売却したときは、特に他の債権者を害する意思がない限り、これをもって詐害行為ということはできない。

③「最高裁昭和32年11月1日判決」

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