突然の職務質問…拒否するとどうなる?



警察官の仕事のひとつに「職務質問」があります。
不審な点がある人を呼び止め、質問したり、所持品をチェックしたりするものです。

ところで、職務質問に関連した報道が2013年末にあったので、そちらを踏まえながら、職務質問について法的に検証してみましょう。

ニュースの核心を読む

「刑法犯件数、11年連続減少へ 121万件、詐欺は増加」(朝日新聞デジタル)

報道によると、警察庁が発表した2013年1~11月の刑法犯の認知件数は、2012年同期より5.1%少ない121万4004件で、年間件数は11年連続で減少しているとのことです。

窃盗は90万6095件で、5.8%減。住宅などへの侵入盗や車上あらし、自販機あらしの減少が大きく、一方、詐欺は3万4795件で、9.9%増。振り込め詐欺は8285件で49.6%の大幅増となっています。

また、容疑者を摘発した割合を示す検挙率は全体で30.4%。2012年同期比で1.7%減少しています。

警察庁は検挙率低下の要因として、地域警察官の職務質問による事件の摘発の減少などを挙げているとのことです。


この報道からだけでは、検挙率低下の原因が、職務質問の実施件数自体が減ったからなのか、それとも職務質問する警察官の質が低下したからなのかわかりませんが、とにかく警察庁としては、警察官の職務質問のブラッシュアップを望んでいる、ということがみてとれます。

たとえば薬物事犯などでは、挙動不審な人に職務質問し、所持品検査をしてみたら薬物が出てきた、というのはよくあります。

もちろん、職務質問が犯罪の減少に結びついていくのであれば、国民としては当然、大歓迎です。

しかし、犯罪を見抜く目や感覚が低下しているならば、検挙率が下がるだけでなく、私たち国民が不当な職務質問を受ける可能性が高まります。

実際、何も悪いことをしていないのに、街で警察官に職務質問され、腹立たしい経験をした人もいるのではないでしょうか。

誰にでも心に何かしら、やましい部分があったりするので、たとえ罪を犯していなくても警察官に職務質問されると、どこか挙動不審になったり緊張してしまう人もいるかもしれません。

では、私たちが自分の身を守るためにも、不当な職務質問を拒否することはできるのでしょうか?

リーガルアイ

そもそも、なぜ警察官は職務質問をするのでしょうか? 法的根拠を見てみましょう。

「警察官職務執行法」第2条(質問)
1.警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる。



法律では、警察官の職務質問は法的に認められた行為だと定めています。

ところで、警察官はどんな人に対して職務質問できるのでしょうか?
条文には、以下の2つのどちらかに該当する人に対して職務質問ができるとあります。

〇異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者

〇既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者


普通に街を歩いている人は、とても犯罪を犯すと疑うに足りる相当な理由があるとは思えないので、本来は職務質問できないはずです。

また、職務質問では、よく車のトランクを開けさせられたり、バッグの中を見せるように言われたりしますが、じつは条文には所持品の検査に関する規定は明示されていません。

つまり、たとえカバンを開けて中身を見せるように言われても、拒否することができるわけです。

しかし、これを拒むのは、なかなか難しいでしょう。
警察官は、任意でカバンの中身を自らの意思で見せるように促しますが、見せなければ、職務質問は延々と続く可能性があるからです。

過去の判例では、「米子銀行強盗事件」というものがあります。

1971年7月、鳥取県米子市で、銀行強盗で盗んだ札束を入れていたバッグを持つ男に対して、職務質問したところこれを黙秘。バッグ開けて中身を見せることも拒否したため、警察官が承諾を得ずに開けると大量の紙幣が見つかり逮捕に至った事件で、最高裁は、「所持品の検査については明文で規定していないが、職務質問に付随して行うことができる場合があると解するのが相当であり、捜査に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り許容される場合がある」、「銀行強盗という重大な犯罪が発生し犯人の検挙が緊急の警察責務とされていた状況の下において必要上されたものであって、またバッグの施錠されていないチャックを開披し内部を一べつしたにすぎないものであるから、警職法2条1項の職務質問に附随する行為として許容される」として、所持品検査は違憲、違法はないと判断した。(最高裁判決 昭和53年6月20日 刑集32巻4号670頁)


もし職務質問された場合、警察官も職務を遂行するために職務質問をしているわけですから、

 

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