中小企業は人手不足でも「とりあえず採用」はすべきではない理由


会社が急成長しているような場合、戦力となる社員をどんどん現場に投入したいことでしょう。

例えば、医療・介護や飲食業、ゲームアプリの開発会社等は、職員・社員の入れ替えや争奪戦も激しく、恒常的な人材不足に悩んでいます。

あるいは、前任者が退職した(退職が予定しているような)会社であれば、一刻も早く代わりの人材を補充したいはずです。また、これから新規オープンするお店であれば、正社員やアルバイトを早急にかき集めなければなりません。

そのような切羽詰まった状況の時、ポッカリ空いた穴をとにかく埋めなければならないため、応募してきた方を深く検討する間もなく採用してしまうことがあります。

会社の業務を正常に運営していくためには仕方のないことかもしれません。

経営戦略上、筋肉質な会社にするために、採用・退職というサイクルを敢えて繰り返し、結果として生き残った社員が必然的に戦力となっている好例もありますが、

「3日間で辞めてしまった」
「遅刻が多く、勤務態度も良くないので辞めてもらいたい」
「出社してこなくなり、連絡も取れない」
「仕事ができない」
「業務命令を聞かない」

という経験をされてはいないでしょうか? 

次に挙げる2つは、戦略なき「とりあえず採用」をしたためにトラブルへと発展してしまったケースをご紹介します。

新規創業した会社が初めて社員を採用したケース

ある会社を創業した社長がいらっしゃいます。店舗を構える必要があり、その店舗を運営するうえで必要な資格を持っていなければなりませんでしたが、社長自身は持っていませんでした。いわゆるオーナー社長です。

そこで資格所有者を募集しました。

しかし、新規創業で実績もないため反応はほとんどありません。店舗のオープン準備も迫ってきている中、それでもなんとか1名採用することができ、無事オープンとなりました。

結果

採用した方は、入社数か月で社長とのトラブルになり、社員は退職してしまいました。
その後、いろいろな事情もあり、資格所有者の補充をすることなく店舗を閉鎖するに至りました。

新規創業した会社が初めて社員を採用した場合、残念ながら失敗に終わるケースがあります。

その多くは社長等の知り合いではなく、ハローワークや求人媒体を活用して外部から採用したケースです。

このケースも同様で、なんとか採用できた第一号の社員は数か月で辞めてしまいました。

オープンまで時間がなく、有資格者を採用しなければならないのに応募者がほぼない状態だったため、採用できた社員への期待は相当高かったのではないでしょうか。

入社間もなくトラブルになって私のところへ相談してきた内容から見ると、もし複数の応募者の中から選考できていれば、この会社の未来はだいぶ変わっていたかもしれません。


新規開店する店舗が応募者全員を採用したケース

前述と同じように店舗を構える業態で、やはり新規創業のケースです。 

この会社はハローワークへ求人票を提出したところ、複数名の応募者がありました。
社長は全員と面接を行い、なんと全員採用としたのです。

結果

社員10人未満でありながら、きちんと就業規則や給与規程を当初から備え付け、できる範囲内で社内の環境整備を整えるなど非常に頑張っていた会社だったと思います。

しかし、社長の思いを知ってか知らずか、すぐに退職する者、休みがちになる者など様々なトラブルが頻繁に起こるようになりました。そのようなトラブルに社長は対応できず振り回されるばかりです。

後日、全員の履歴書と職務経歴書を見せていただく機会がありました。

突っ込みどころ満載の履歴書・職務経歴書ばかりでした。
まだ20代なのに転職回数がやたら多かったり、職歴にブランクがあったり、志望動機が「御社の将来性に……」という具体性に欠いた抽象的なものだったり、ひどいものになると本人の顔写真さえ貼り付けされていません。

新規創業の中小企業であるため同情すべき点はあるものの、私から見て採用したいと思えるような方は誰一人としていませんでした。

今回ご紹介したケースはいずれも新規創業におけるケースで、最初に採用した社員が「会社の命運を左右することもある」なんてことも決して大げさな話ではありません。

しかし、新規創業だけではなく、創業数年、あるいは十数年経った会社であっても(会社の命運を左右することはおそらくないでしょうが)「とりあえず採用」をしていたりします。

もし自社に該当するようならすぐにでも改めるべきでしょう。

 

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