条件にこだわりすぎる人・質問内容が細かすぎる人
採用面接の時間も終わりに近づくと、面接官は「何か質問はありませんか?」と聞くことが多いかと思います。
すると「待っていました!」とばかり質問攻めにしてくる応募者がいたりします。
質問内容も様々ですが、例えば次のようなものが挙げられます。
「残業代はきちんと支給されますか?」
(「ブラック企業」という言葉が定着したため、最近はこの質問もきっと多いことでしょう)
「将来のキャリアプランについてお聞きしたいのですが……」
「会社の研修制度はどのようになっていますか?」
「営業職を希望していますが、希望どおりの配属はされるのでしょうか?」
質問内容はともかく、何も質問してこない応募者よりは、あれこれ聞いてきた応募者の方が会社のことをよく調べてきたということで好感を持つのではないでしょうか。
ところが、いろいろと質問をぶつけ、一見熱心そうに思えるこのような応募者であっても、入社して戦力化するかどうかは別です。
経験則で言えば、「条件にあまりにもこだわりすぎる」「質問内容が非常に細かすぎる」方は戦力とならない確率が高い傾向があります。
私が在籍していた会社で経理職を募集したケース
2度の面接を経てCさんに内定が出ましたが、本人はいま一つ乗り気でないように見えました。
私は採用反対の立場でしたが、役員の意向により入社を快諾しない理由を引き出そうと再度Cさんと会うことになりました。すると、入社後のポジションや仕事のやり方、その他いろいろな質問をされました。
私は、一つひとつ丁寧に、また、正直に回答しましたが、内心「そんな細かいことにこだわってどうするんだろう?」と思いました。
質問内容が細いのは、Cさんが自分に自信がないことの表れだと感じたからです。
結果
最終的にCさんは、入社して経理責任者のポジションには就きました。
しかし、残念ながら1年もちませんでした。この会社は当時、株式上場を目指したベンチャー企業で、責任者としての仕事だけをこなすような仕事の仕方では会社がとても回りません。
あらゆることを自ら積極的な姿勢でやらなければならないプレイングマネージャーという立場が合わなかったようです。
Cさんは、過去に数社の会社を経験し、自分のやり方をある程度「確立した」と思っているような方でした。
このようなタイプだと、変化が激しく柔軟性を求められる会社にはあまり向かないでしょう。いくつもの異なる業務を兼務することが当たり前のような中小企業ではなおさらです。
「自信過剰な応募者は入社後トラブルメーカーに」でも登場したAさんのケース
Aさんは自信過剰でもありましたが、採用面接の際、非常にこと細かく質問してくる方でもありました。
私は、あれほどたくさんの質問を受けたにもかかわらず、具体的な内容を一つも覚えていません。
面接してからずいぶん月日が経ったことも理由ですが、それ以上に「細かすぎる」「そんなことを知ってどうするの?」と面接中から思っていたからでしょう。
同席していた役員は真剣に聞いていたかもしれませんが、私は途中から聞き流していたのかもしれません。
先述したように自信満々な態度だけは鮮明に記憶しているのです。
私はサラリーマンとして数度の転職を経験しましたが、入社前に提示された労働条件にあれこれ言ったことは一度もありませんでした。
入社後の仕事ぶりや結果を見てもらい、そのうえで正当な評価をされればポジションや給与は自然と上がっていくと考えていたからです。
そのような自分の考えをあらかじめ会社に伝えていました。
もちろん、入社した会社にきちんとした人事評価制度が構築されていて、公平性や透明性があり、適切に運用されている環境であることが必要なのは言うまでもありません。