執筆:弁護士・税理士 谷原誠
税理士を守る会
会計業務委託契約書/会計業務再委託契約書/再委託に関する合意書など
「金額未確定の場合に契約書はどうするか」
「税理士を守る会」で、過去にあった質問です。
「新規顧問契約を締結する法人があります。
契約書は締結したいと思いますが、現時点では、作業量が判然としないので、料金を決められません。
そこで、当面契約書を締結せずに業務を開始したいと思います。その間に税賠が心配なのですが、防止法はありませんか?」
他の先生方も同じような事情があるかもしれませんので、今回は、この点について解説します。
契約書は税理士を税賠請求から守るものでもあるので、ぜひ締結していただきたい、と常々申し上げております。
しかし、中には、作業量がまだわからないので、実際に始めてみないと、顧問料その他の料金を決められない、という場合もあると思います。
私は、その場合でも、当初より契約書を締結することを推奨しています。
では、金額不明の場合に、どのように契約書を締結するか、についてですが、次のように行います。
- 契約書の金額欄の箇所は、「甲乙間で別途合意する金額とする」と記載し、金額以外の部分を確定させて契約書を締結する。
- 後日、金額が決まった時点で、合意書を締結し、
「●年●月●日付『●●契約書』の委任業務欄記載の税理士報酬について、以下のとおり合意する」として、契約書と関連づける。- 契約書の中に理由不問の中途解約条項を記載する
(報酬の折り合いがつかない際に、すぐに解約できるようにしておく)。
今回は以上です。
税理士を守る会
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