社長は経営のプロでも、必ずしも面接のプロとは限らない

「自分は人を見る目には自信がある」と多くの社長はそう言います。

毎日毎日、様々な人々と会い、交渉を重ね、取引を成立させ、会社を大きくしてきたのですから、そのように自負するのも不思議なことではありません。

むしろ自信に満ち溢れていて当然ではないでしょうか。

ところが、その自信も自社の社員を採用するときにはかえって障害となってしまうことがあるようです。

例えば、人材採用に失敗している会社では、採用面接はたったの1回だけ、しかも面接官は社長一人で面接時間もほんの10分程度だけなんてことが当たり前です。

もし私が面接を受ける側の応募者であって、1回10分程度の面接で、面接なのか雑談なのかよく分からない当り障りのない質問ばかりされて内定が出たとしたら「この会社本当に大丈夫か?」と変な勘繰りをしてしまいます。

「どんな形であっても内定が欲しい」とか、「是が非でも内定が欲しい」という方であればこれは渡りに船といったところでしょうが……。

社長は自らを「自分は経営のプロだが、面接のプロではない」ことを自覚し、他の社員の力を借りたり、時には外部の専門家のアドバイスに耳を傾けることが必要だろうと思います。

社長が良い人材を採用したいのであれば、不要な人材を間違ってでも採用したくないのであれば、私なら「少なくとも採用面接は2回以上、面接官は2名以上で対応するようにすべきです!」とアドバイスするでしょう。

例えば営業職の採用面接試験を行う場合であれば、次のような組み合わせで臨むことが考えられます。

採用面接パターン1

一次面接  現場の営業担当者(リーダークラス)+人事担当者
最終面接  社長+担当役員

この組み合わせでは、一次面接の時点で現場の営業担当者と人事担当者が同席しているため、実務能力やスキル、人柄等を総合的に見て判断することができます。

したがって、一次面接をクリアすれば、よほどのことがない限り最終面接後に内定は出るでしょう。
      

採用面接パターン2

一次面接  現場の営業担当者(リーダークラス)+現場の営業担当者(若手クラス)
最終面接  社長+人事担当者

この組み合わせだと、一次面接の面接官がいずれも現場の営業社員であるため、面接官としての経験が不足しており、適切な質問があまりできない可能性があります。

また、当然のことですが、営業に関する質問に終始してしまうことが想定されるため、人柄等は後回しになっているかもしれません。

もし最終面接までいったなら、一次面接で確認できなかったことを重点的に質問するのがいいでしょう。

面接までの待ち時間で、ただ待たせるだけはもったいない

1日に何人もの面接をすることがある新卒採用面接の場合、来社してもらう時間を少しずつずらして応募者を呼び出すことになります。

実際は面接が盛り上がって予定時間をオーバーしたり、来社予定時間の30分とか1時間以上前に来る学生もいるため、控室が必要になります。

通常であれば、そこに待機している応募者同士が就職活動の状況について情報交換したり雑談したりすることでしょう。

時には誰も一言もしゃべることなく、緊張感に包まれた控室と化していることもあるでしょう。

もし、面接を担当する社員以外にも人員を割く余裕があるならば、その方々には控室で面接の出番を待っている学生と雑談していただきたいと思います。

緊張している学生をリラックスさせることができるということもあるのですが、その結果、彼らの人柄・性格、本音を垣間見ることができるのが最大のメリットです。

つまりこれも「採用試験の一部」として位置付けるのです。「社内の人間が参加することでかえってガチガチになったりしないのか?」と心配する声もあるかもしれませんが、どのような話をするのがいいのか事前に検討・準備しておき、笑顔で優しく話しかければ大丈夫でしょう。

私は過去に東京や大阪で実施した新卒採用面接で控室の学生と「雑談」してきましたが、地域独特なノリとは関係なく、積極的に会話に参加してくる学生ほど入社後に大きく伸びたという印象を持っています。

その反面、どこか冷めたようなやり取りに終始し、緊張していたわけではないのでしょうが、笑顔も見せないような方は入社しても成長に時間を要している感じがします。

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