顧問先である㈱Aにおいて、税務署から過去の土地取引に関する源泉徴収漏れを指摘され、源泉所得税を納付することとなりました。

事案の概要は次のとおりです。

・土地の売主は個人甲(海外に居住し、日本企業に勤務している日本人)
・数年前に㈱Aが個人甲から土地を購入
・土地の売買代金は約1,000万円
・㈱Aは売買代金の全額を個人甲へ支払っていた
・本来は非居住者への土地譲渡に該当するため、約100万円を源泉徴収し、残額を支払うべきであった
・税務署から源泉徴収漏れを指摘され、㈱Aが約100万円を納付した

そのため、㈱Aとしては、立替払いした源泉所得税相当額を個人甲へ請求し、回収したいと考えています。

個人甲については、当該土地譲渡に関してすでに確定申告を行っている場合、更正の請求等により、結果的に納付された源泉所得税相当額が本人へ還付される可能性があります。

一方、確定申告をしていない場合には、譲渡所得の計算結果によっては納税額が生じることとなり、源泉税額との差額を負担することになると考えられます。

また、個人甲は㈱Aに対して、海外に居住していることは伝えていたとのことですが、土地売買契約書には日本国内の住所を記載していました。

その後、㈱Aの代表者が個人甲に対し、

・源泉徴収漏れが発生していたこと
・㈱Aが源泉所得税を立替納付したこと
・立替納付額を支払ってほしいこと

を説明したところ、個人甲からは次のような回答があったそうです。

「約3,000万円で取得した土地を約1,000万円で売却しており、利益が出ていないため確定申告はしていない。」

「源泉所得税を納付した場合に、譲渡所得が赤字であれば確定申告によって還付を受けられることは理解している。」

「しかし、海外での給与所得との関係がよく分からず、確定申告を行うつもりはない。」

「したがって、今になって立替納付額の支払いを求められても応じるつもりはない。」

との主張をしている状況です。

【質問】

このような場合、㈱Aが立替納付した源泉所得税相当額を個人甲から回収できるかどうかについては、

個人甲が非居住者であることを㈱Aへ伝えていたかどうか
㈱Aが個人甲の非居住者性を認識していたかどうか

が重要な論点となるのでしょうか。

それとも、当事者双方の認識や説明の有無にかかわらず、非居住者への支払いであったという事実そのものに基づいて、立替納付額の回収可否が判断されるのでしょうか

回収請求の法的根拠や実務上の考え方について、ご教示いただけますでしょうか。

回答(税理士を守る会)

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