税理士の先生より「幼児に対する贈与の有効性」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

質問

顧問先の株式会社の代表者の株式を 3 歳の子供に110万円以内で贈与したいとのことです。

議事録作成をし、親権者のサインにて贈与証書を作成することによりこの贈与契約は有効になりますか。

もし有効にならないようでしたら、有効にするための方法があればご教示お願いします。

また、それ以外に注意することがあれば、あわせて教えてください。

回答

法務面と税務面の関係から回答します。

〈法務面〉

親が 3 歳の子に株式を贈与する場合、子は未成年者ですので、親権者法定代理人が子を代理して契約をします。

通常は、父母が共同して親権を行使します(民法813条 3 項)ので、贈与契約書の受贈者の契約当事者名は、「受贈者○○親権者法定代理人父○○印、同母○○印」となります。

民法第818条
1  成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2  子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3  親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

この場合、「特別代理人」の選任が必要かどうか、疑問に思うかもしれませんが、特別代理人の選任が必要なケースは、親権者に利益があって未成年者に不利益な場合です。

民法第826条第1項 ‌
 親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

親権者から未成年者への贈与は、未成年者のみの利益のため、利益相反にならない、と解されています。

また、3歳の子供は議決権を行使できないので、株式の贈与は無効ではないか、との疑問があるかもしれませんが、株式には議決権だけでなく経済的価値もあり、早期贈与には意味がありますので、可能と考えます。

したがって、贈与契約は有効と考えます。

〈税務面〉

3歳の子供は株式の管理能力がありませんので、・・・

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