執筆:弁護士・税理士 谷原誠

税理士の先生より「特別利害関係人がいる場合の議事録の記載」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

質問

当社は取締役会設置会社で、取締役はA・B・Cの 3 名です。

このたび、当社が取締役A・Bから、A・Bが所有する土地を買い受けることになりました。利益相反取引なので、取締役会決議で承認を得なければなりません。

代表取締役はBなので、通常はBが議長となりますが、特別利害関係人が議長になると決議が無効になるとの情報がございます。

そこで、議案に関する取締役会議事録の記載方法について教えてください。

⑴ A・Bが決議に参加できない場合の記載例を教えてください。
⑵ Bが議長になれない場合の記載例を教えてください。
⑶ A・Bは出席取締役として記名押印しても問題ないでしょうか。

また、その他に注意すべき事項はありますか。

回答

⑴ A・Bが決議に参加できない場合の記載例

Cが 1 人で取締役会決議をすることになります。

例えば、以下のような記載が一例です。

日時:
場所:

上記日時場所において、取締役会を開催した。

取締役の総数   3 名
出席取締役の数  3 名

以上のとおり出席があったので、本取締役会は適法に成立した。代表取締役Bが議長となり、定刻に開会を宣し、直ちに議案の審議に入った。
(初めから議長をCにしてもよいと思います。)

第 1 号議案 利益相反取引承認の件

議長および取締役Aは、本議案について特別利害関係人であるため、審議に加わらないこととし、当会社定款○条の定めにより、取締役Cが議長となって、審議を開始し、審議した取締役Cは、下記⑴⑵のとおり当会社と取締役A及び代表取締役Bとの利益相反取引について承認した。


⑴ 取締役Aが所有する土地を別紙 1 の内容の売買契約により当社が買い受ける。
⑵ 代表取締役Bが所有する土地を別紙 2 の内容の売買契約により当社が買い受ける。

以上をもって本取締役会の議案を終了したので、議長は閉会を宣し、○時○分に散会した。

上記の決議を明確にするため、本議事録を作成し、議長及び出席取締役がこれに記名押印する。

まだ議長はCのままなので…

さらに詳しくは「税理士を守る会(初月無料)」にて解説しています。

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