税理士の先生より「代表取締役の解任方法」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
顧問先の定時株主総会における代表取締役解任についての相談です。
会社は代表取締役が会長と社長の 2 名おります。
会長(創業者、80%の株を保有)と社長(元従業員、10%の株を保有)の経営に関する意見が対立し、会長が社長を解任しようと考えております。
1 .株主総会招集通知を発送する予定ですが、事を荒立てたくないので、次のとおりにしたいと考えています。問題があるでしょうか。
⑴ 取締役会で株主総会を開催する旨の決議をせずに、会長が単独で株主総会開催通知を発送する。
⑵ 株主総会開催通知には、議題として、決算承認の件のみで役員解任の決議については記載しない。
⑶ 当日、株主総会の場で、取締役解任の動議をする。
2 .上記の解任決議のあと、別の者を取締役として選任したいということですがこれは可能でしょうか。
3 .社長側が総会の瑕疵を指摘してきた場合、どのように対処すればよろしいでしょうか。
また、そのときのリスクはどのようなものがあるでしょうか。
回答
1 株主総会決議取消し該当性
まず、株主総会決議に瑕疵があった場合には、当該決議は取り消され、または無効となります。
会社法第831条
1 次の各号に掲げる場合には、株主等…は、株主総会等の決議の日から 3 箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。(中略)一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。
その場合には、株主総会前の状態に復帰することになります。
その間、社長の報酬が払われなければ、報酬請求権が発生します。
株主総会に瑕疵があり、訴訟等を提起された場合は敗訴しますので、裁判で争っている間に再度、適正な手続きに従って臨時株主総会を開催し、解任決議を行います。
それも大変なので、株主総会には瑕疵がないよう進めなければなりません。
必ずご確認いただきたいのは、定款です。
以下の点をご確認いただきたいと思います。
・招集権者
・招集手続き
・招集通知に議題を記載するよう求めていないか
・株主総会の議長は誰か
そして、定款の定めどおりに進めていくことが必要です。
2 招集通知の記載事項
次に、本会社は取締役が2名、ということですので、・・・
この記事の全文については、税理士を守る会に入会すると読むことができます。