税理士の先生より「株式会社への貸付金残高は相続財産になるか」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

質問

株式会社の代表者が亡くなり、その遺族からの相談です。
代表者から会社への貸付金残高が3,000万円程残っていますが、代表者が亡くなり会社を清算しようと思います。

会社には何の財産もなく、この貸付金の返済は不可能であるため遺族として放棄して会社をたたみたいのですが、その場合でもこの貸付
金残高は相続財産になるでしょうか。
そして、返してもらえない貸付金を放棄して会社を清算することは法律的に問題ないでしょうか。

回答

法律上の問題と税務上の問題を分けて回答します。

1  法律上の問題

法律上は、貸金債権を相続した上で相続人が貸金債権を放棄することは自由ですので、放棄可能です。その結果、会社の資産負債がすべてゼロになるのであれば、清算が可能となります。

ただし、貸付債権の放棄により、債務免除益が生じ、納税義務が発生する、ということであれば、その処理をしなければなりません。

負債が残った状態で清算を開始し、返済できない場合には、破産手続開始の申立てをしなければなりません(会社法656条1項)。

2  税務上の問題

⑴ 相続税について

貸付金を放棄しても、・・・

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