税理士の先生より「債権回収と貸倒れ」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
法人甲が、法人乙に対して貸付をしましたが回収ができません。
乙は、平成24年12月まで少しずつ返済をしましたが、その後、返済が止まっています。
平成29年 3 月に改めて金利を下げるという妥協案で債務弁済契約書を取り交わすことになりました。しかし、その後翻意し、新しい債務弁済契約書に印を押しませんでした。
結局、条文を微修正して契約書を再び締結しようとしましたが、今度は電話も取らない状況になり、連絡がとれない状況になっています。
乙に財産状態を教えてほしいと決算書等の資料開示を求めても、これもまたできないと一点張りであります。
このような状況なので、甲としては貸倒処理することも税務上リスクがあり、かといって金利引下げの交渉もできず、このまま 3 %の金利で、今後も会社は未収利息を計上することになれば、払う必要のない法人税を負担することになり、会社経営に大きな痛手となっています。
このような場合、債務者に対して効果のある法的手段にはどのようなものがあるでしょうか。
回答
債権者法人及び債務者法人がともに株式会社であること、及び、検討されているのが法人税法基本通達9-6-2であることを前提として回答します。
法人税法基本通達9-6-2
法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができる。
対策
現時点では、乙の資産状態が不明なため、「全額が回収できない」という要件該当性にリスクがある、ということだと推測します。
ところで…
さらに詳しくは「税理士を守る会(初月無料)」にて解説しています。