<事象>
・グループ通算制度を適用しているグループ2社(親法人と子法人1社のみ)において、子法人株式を外部へ売却した結果、親法人1社のみとなり、グループ通算制度の取止め事由に該当することとなりました。
・そのため、株式売却日の前日までをみなし事業年度とし、グループ通算制度に基づく申告を行う予定です。
<確認事項>
グループ通算制度における損益通算(法法64条の5)の適用可否について確認したいと考えています。現状の見込みでは、親法人の所得は赤字、子法人の所得は黒字となる予定です。
<根拠>
・法法64条の10第6号により、子法人は株式譲渡の日に通算制度の効力を失い、さらに同条第7号により、親法人も株式譲渡の日に通算制度の効力を失うとされています。したがって、譲渡日の前日において、グループ通算制度による申告を行うことになると理解しています。
・また、損益通算については、法法64条の5第1項において「通算親法人の事業年度終了の日と、通算法人の所得事業年度終了の日が同一である場合、通算対象欠損金額は損金算入可能」と規定されているように読めます。したがって、最後のグループ通算制度申告において通算前欠損金額の損金算入が可能である、との理解でよろしいでしょうか(もし解釈が誤っていればご指摘いただきたいです)。
これに関連して、事業年度の途中で子法人が離脱した場合は損益通算の適用がないとする通達(法基通12の7-1-1)が存在します。しかし今回のケースでは事業年度終了日が同一となるため、逆説的に損益通算の適用が認められる、との理解で問題ないでしょうか。
(参考)法基通12の7-1-1「通算グループから中途離脱した通算法人についての損益通算の適用」
― 法第64条の5第1項《損益通算》に規定する所得事業年度および同条第3項に規定する欠損事業年度は、通算法人に係る通算親法人の事業年度終了の日に終了するものに限られる。したがって、通算親法人の事業年度の途中において完全支配関係を有しなくなり、通算承認の効力を失った通算法人については、その効力を失った日の前日に終了する事業年度にはこれらの規定が適用されないことに留意する。