顧問先であるA社の代表者であり唯一の株主でもある甲が、A社の申告月である●月中旬に、法人税申告書の提出前に死亡しました。
A社は一人会社であり、株主も甲のみです。
現在、A社は債務超過の状態にあり、また甲個人にも多額の債務があるため、甲の死亡後から現在に至るまで、弁護士がA社および甲個人の債務整理手続きを進めています。
そのような状況の中、先日、担当弁護士から当事務所に対し、
「A社については債務整理は継続するものの、当期以降の法人税申告は行わず、そのままにしておくことも選択肢ではないか」
との提案がありました。
弁護士がそのように考える理由としては、主に次の点が挙げられています。
・一人会社であり、代表者兼株主が既に死亡していること
・申告を行ったとしても実質的なメリットが乏しいこと
・今後の相続手続や債務整理手続との関係を総合的に考慮したこと
一方、当事務所としては、資料収集が順調に進んでいないため期限内申告は難しい可能性があるものの、期限後申告であれば対応可能ではないかと考えており、弁護士の提案に戸惑っています。
なお、A社と当事務所との間では、数年前に税務顧問契約を締結しており、委任業務として、
・法人税に関する税務代理
・税務書類の作成
が定められています。
また、契約締結以前から継続して申告業務を受任しており、A社の法人税申告については、これまで毎期期限内申告を行ってきました。
【A社および甲の財産状況】
<A社の状況>
・目立った資産はありません。
・銀行借入金が数千万円あります。
・甲からの借入金も数千万円あります。
・全体として債務超過の状態です。
・仮に甲からの借入金について債務免除を受けたうえで清算手続きを進めたとしても、期限切れ欠損金の利用等により法人税は発生しない見込みです。
<甲個人の状況>
・A社に対する貸付金が数千万円あります。
・相続により取得した土地建物を保有しています。
・預貯金その他の資産はそれほど多くありません。
・銀行借入金や税金の滞納があります。
・相続税申告は必要となる見込みです。
【質問】
弁護士の提案どおり、今後A社について法人税申告を一切行わなかった場合、
・A社において税務上または会社法上の問題が生じる可能性はないのでしょうか。
・税務署から無申告加算税やその他の行政上の措置を受ける可能性はあるのでしょうか。
・将来、清算や相続手続を進める際に不利益が生じることはないのでしょうか。
・また、これまで継続して申告業務を受任してきた当事務所として、法人税申告を行わないという判断をした場合、税理士としての責任や契約上の問題が生じる可能性はあるのでしょうか。
実務上、このようなケースでは申告を継続すべきなのか、それとも弁護士の提案のように申告を行わず債務整理を優先する対応もあり得るのか、ご教示いただけますと幸いです。




