当事務所の従業員が、顧問先から寄せられていたクレームや解約の申し出を長期間にわたり隠蔽していた結果、顧問契約が終了し、事務所に損害が発生しました。
事実確認のため顧問先へ直接確認したところ、「何度依頼しても対応してもらえない」「業務処理が遅い」などの不満が以前からあったことが判明しました。しかし、担当していた従業員からは、そのようなクレームについて一切報告がなく、当事務所では状況を把握できていませんでした。
その後、顧問先は解約の意思表示を行っていましたが、その事実も当事務所には伝えられていませんでした。さらに、解約後も約半年間、顧問料が口座振替され続けたため、顧問先が弁護士へ相談し、その内容が当事務所ホームページのお問い合わせフォームへ送信されたことで、ようやく解約の事実を知ることになりました。
この間も、担当従業員は解約について一切報告や相談を行わず、通常どおり業務をしているかのように振る舞っていました。
さらに、顧問先はすでに新しい会計事務所と契約し、業務の引継ぎを進めていましたが、担当従業員は当事務所へ無断で電子申告の暗証番号などの引渡しに応じるなど、解約や引継ぎを隠したまま独断で対応していました。
また、解約が発覚するまでの間には、当該顧問先について源泉所得税の納期の特例に関する手続きがありました。当事務所から確認したところ、担当従業員は「当事務所でダイレクト納付まで対応済みです」と説明していましたが、後日確認すると、実際には新しい会計事務所が対応していたことが判明しました。
そのほかにも、決算の打合せ状況などを確認すると、「顧問先から特に問題ないと言われています」と報告していましたが、顧問先へ確認した結果、その報告も事実ではなく、虚偽の説明を繰り返していたことが明らかになっています。
最終的に、「顧問先から解約の話はすべて聞いているが、本当なのか」と問いただした際にも、当初は虚偽の説明を続けました。しかし、「顧問先が虚偽を述べているのであれば裁判で争うことになるが、その認識で間違いないか」「法廷での虚偽証言には刑事上の責任が生じる可能性もある」と伝えたところ、最終的には「顧問先の説明がすべて事実です」と認めました。
さらに、最近では別の顧問先についても、クレームを理由に解約の申し出を受けている案件がありますが、この案件でも同様に、担当従業員が問題を隠蔽し、事務所へ報告していないことが判明しています。
具体的には、中間納税の手続きが遅れたことを報告せず、自ら延滞税を負担することでミスを表面化させないようにするなど、問題を揉み消そうとする行為が確認されています。
このほかにも虚偽報告や隠蔽行為が複数確認されており、結果として顧問契約の解約という損害も発生しています。
【質問】
・上記のような虚偽報告、隠蔽行為、問題の揉み消し、さらには顧問契約の解約という損害が発生したケースについて、一般的に法的にはどのように評価されるのでしょうか。また、懲戒処分や損害賠償請求などを含め、どのような対応が考えられるでしょうか。
・相手方や当該従業員との面談・ヒアリングについては、すべて録音または録画により証拠を保全しています。
・このような事案を踏まえ、税理士法上の留意点も含め、事務所として事前に講じておくべき対応や、行うべきではない対応があればご教示ください。




