採用選考時に提出してもらう書類には「履歴書」や「職務経歴書」があります。
一見すると自社にとって望ましいと思われる経歴の持ち主からの応募があったりしますが、それをもって「素晴らしい人材」と思い込まないでください。
今回はその典型例です。もし、それだけで判断するのであれば、そもそも採用面接などする必要性がなくなります。
有名コンサルティング会社出身者を中途採用したケース
私が以前在籍していた会社での経験です。
面接は役員のみで行ったため、私は興味本位に遠目に見ていました。
面接に来た方の服装や髪形、持物を見て「大丈夫かな?」と直感的に感じました。
その独特な雰囲気が自社に馴染むようにはとても思えなかったからです。
結果
採用が決定し、入社してすぐに私の悪い予感は現実のものとなりました。
コンサルティング会社での経験をもとに、当初から管理部門を統括するようなポジションに就いたその方は、他の社員に指示するだけで自らは全く動きませんでした。
それは、いままでいた会社のやり方だったのかもしれませんが、100名足らずのこの会社ではそのやり方は全く通用しませんでした。
結局、社内で孤立を深め、結果も出せずに短期間で退職していきました。
それなりの経歴があった上記のケースに対して、次のケースは採用そのものを絶対に避けるべき経歴だったと言えるでしょう。
ある中小企業が複数回の転職経験がある人を正社員として中途採用したケース
過去の経歴は非正規社員としての勤務ばかりで、前職と前職の間には空白期間のあることも多くありました。
結果
採用後に結果を出せれば良かったのですが、業務上のミスが非常に目立ち、改善することもなかったため解雇されましたが、その後、労働トラブルにまで発展しました。
では、なぜ採用に至ったのでしょうか?
後から聞いた話によると、社長がその社員の「経歴に同情した」ことが理由の一つにあったようです。
もし、私がこの会社の採用担当者であれば、書類選考の時点で不採用としたことでしょう。複数回の転職より、非正規としての勤務を続けてきたことに違和感があったからです。
個人の事情もあるかとは思いますが、非正規続きだったのにはそれなりの理由があるはずです。
だからこそこの方が過去に在籍していた会社は非正規として雇用したのです。
社長の個人的感情や思いで人材の採用を決定してはなりません。
他にも、自社のレベルにとても合わないスペックを持った人を採用する会社があります。
しかし多くの場合、遅かれ早かれ会社に不満を持つようになり、ギャップを感じるようになり、社内の和を乱して退職していくように思われます。