税理士の先生より「会計データを第三者に渡す際に気をつけるべきこと 」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
当事務所で入力した会計データを第三者に渡す際に気をつけるべきことをご教示ください。
〔概要〕
私どもの法人顧客がM&Aを考えています。そして、ある公認会計士事務所にコンサルを依頼しています。
今まで、顧客からの依頼がなかった(提案はしたのですが、別途有料となるため店舗別損益は結構ですとのこと)ので、店舗別の損益表は作成してきませんでした。
コンサル会社は、店舗別の損益を把握したいためか、当事務所が作成した会計データがほしいと、顧客を通して依頼がありました。
会計データは、公認会計士事務所に販売したいと考えています。
回答
本件では、二面関係で法律関係を処理する必要があります。
・先生と顧問先の関係
・先生とコンサル会社の関係
1 先生と顧問先の関係
顧問先の会計データを第三者に提供することになりますので、守秘義務解除に関する顧問先の承諾が必要です。
また、それを販売するとするならば、それについても承諾を得ておいた方が良いでしょう。
なぜなら、顧問先は、先生に対する記帳代行および税務代理業務を行う限度でしか、会計データを利用する許諾を与えていない、と考えられるためです。
したがって、顧問先との関係では、
・コンサル会社との関係で守秘義務を解除し、会計データを提供することを承諾すること
・会計データの所有権は税理士にあり、会計データを販売することを承諾すること
・コンサル会社による会計データの利用によって顧問先に損害が生じても、税理士への請求は放棄すること
という旨の合意書を締結しておくのがよろしいかと思います。
2 コンサル会社との関係
1を前提としてですが、コンサル会社との間でも、契約書を締結することをおすすめします。
内容としては、・・・
この記事の全文については、税理士を守る会に入会すると読むことができます。