税理士の先生より「詐害行為と法人格否認の法理」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

質問

顧問先は現在、債務超過の状況にあります。新会社を設立し、同様の事業を行うことについて、下記の条件だけでは詐害行為とされないか、リスク回避策を教えてください。

① 旧会社と新会社との間では、事業譲渡契約は締結しない。動産・什器・備品等も引き継がない。ただし、同じ事業を行うので、商品の商標は使用し、会社名も有限株式のみ変更で顧客には表向き事業の継続がなされているようにしたい、と希望しております。
② 仕入先とは引き続き交渉し、債権の一部ロスカットをしてくれない場合には破産し、新会社にて事業をスタートさせる旨宣言する。

以上、①財産の処分(正確には処分するべき財産)がない点、②破産選択を仕入先に申し入れしている点、などは詐害行為とされるリスクを下げることになりますでしょうか。

回答

本件では、⑴詐害行為と、⑵法人格否認の法理、の 2 つを検討することになると思います。

⑴ 詐害行為について

詐害行為は、債権者に弁済できなくなることを知りながら、財産処分行為などを行う場合に成立します。

今回、財産処分行為はないということですが、新会社で事業を開始することが、「実質的に事業譲渡」されたものと評価される可能性があります。

そのように判断された場合には…

さらに詳しくは「税理士を守る会(初月無料)」にて解説しています。

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