1人会社であるA社(5月決算、業種はシステムの開発および販売)について、役員報酬の取り扱いに関して確認したい点があります。

A社は2023年9月まで順調に利益を計上していました。しかし、A社の得意先4社のうち、全売上の約75%を占める主要取引先B社において、B社側の予算事情によりA社への発注額が減少することとなりました。

この減額の影響により、A社の月次利益は2023年10月以降マイナスに転じ、資金繰りも悪化する見込みですが、2023年12月時点での累計利益としては、かろうじて損益がゼロに近い水準にとどまっています(その後は累計ベースでも赤字が見込まれています)。

さらに、B社からは2024年4月以降についても同様に予算都合による追加の発注減が伝えられており、具体的には2023年10月以降の月次売上総額からさらに約3割以上が減少する見込みです。この状況が続く場合、他の取引先からの売上改善がなければ、借入金返済や固定的経費の支払など利害関係者への対応が必要なこともあり、A社では役員報酬の未払状態が複数月にわたり継続する可能性が高い状況です。

このような事情がある中で、2024年4月以降の役員報酬について、業績悪化改定事由を根拠として減額変更を行うことが可能かどうか判断に迷っています。国税庁の「役員給与に関するQ&A」では、 「業績や財務状況又は資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員報酬の額の減額が盛り込まれた場合」と改定が認められる旨が示されています。

そのため、2024年4月以降の状況に合わせ、経費削減や売上増加策などを含む経営改善計画を策定し、臨時株主総会議事録を整えることで、業績悪化事由に基づく役員報酬の減額を適用できるのではないかと考えています。こうした対応が可能か、また参考となる裁決例や裁判例等が存在するかについても確認したいと考えています。

加えて、仮にこの方法が難しい場合、A社は5月決算のため、6月1日に臨時株主総会を開催し、同月末の支払分から月額報酬を改定することも選択肢として検討しています(通常は8月末支払分から変更しています)。この時期での改定が認められるかどうかについても併せて判断したいと考えています。

回答(税務質問会)

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