顧問先である被相続人は一人暮らしをしており、自宅内で亡くなっていました。
被相続人は賃貸用不動産を所有していましたが、死亡後、管理費の引落口座が残高不足となり、管理費の支払いが滞納状態となりました。
その結果、
・被相続人と連絡が取れない状態が続いたこと
・管理費等の滞納が解消されなかったこと
から、被相続人の所在不明を理由として当該不動産が差押えとなり、その後、強制競売の手続きが進められました。
一方、相続人(子1名)は被相続人と日頃ほとんど連絡を取っておらず、
・被相続人が死亡していた事実
・差押えの事実
・競売手続きが進行していた事実
のいずれについても把握していませんでした。
その後、被相続人に固定資産税の未納がある旨の連絡が市区町村から届いたため、相続人が被相続人へ連絡を取ろうとしたものの連絡がつかず、警察立会いのもと自宅へ入った結果、初めて被相続人が既に死亡していたことを知りました。
しかし、その時点では既に競売手続きが完了していました。
なお、競売代金から滞納管理費や諸費用等が控除された残額については供託されており、後日、相続人が受領しています。
【質問1】
このような事案では、
・被相続人が既に死亡していたこと
・相続人が競売手続きの存在を知らなかったこと
・相続人に対して特段の連絡がなかったこと
を踏まえると、競売手続きが完了するまで相続人へ連絡がなかったことに違和感があります。
実際には被相続人が死亡していたため本人と連絡が取れなかったにもかかわらず、そのまま差押え・競売が進められた場合、
・相続人として手続きに異議を申し立てることはできるのでしょうか。
・競売の取消しや損害賠償請求等の余地はあるのでしょうか。
・既に競売が終了している場合でも、何らかの法的対抗手段が残されているのでしょうか。
【質問2】
税務上の取扱いについてもお伺いします。
相続人としては、競売により処分された不動産について、
「相続によって取得した不動産を、その後に譲渡したもの」として譲渡所得の申告が必要になる
と考えています。
なお、管理費の引落口座は残高不足でしたが、被相続人には他にも預金等の資産が存在しており、必ずしも管理費を支払えない経済状況ではありませんでした。
そこで、差押え後から競売成立までの不動産の取扱いについて質問があります。
・差押え後も競売が成立するまでは所有権は移転していないため、引き続き被相続人(その後は相続人)の所有する賃貸不動産と考えてよいのでしょうか。
・その場合、賃料が発生していたのであれば、本来は不動産所得として計上すべきものと考えてよいのでしょうか。
・あるいは、差押えの時点で実質的に自由な処分権を失っていることから、通常の賃貸不動産とは異なる取扱いになるのでしょうか。
・差押えから競売成立までの期間における賃料収入や所得区分の考え方についてもご教示いただけますと幸いです。




