現在、親会社であるP社と子会社であるS社との間には完全支配関係があり、P社の代表者がS社の代表者も兼任しています。
P社は長年にわたって業績不振が続いており、多額の債務を抱えていることから、今後、会社清算に向かう見込みとなっています。
一方で、S社については業績が好調です。
しかし、現在S社の代表者を務めている者は、今後、S社の経営を継続することができない状況となっています。そのため、現在、実質的にS社の運営を担っている従業員Aが、S社の経営権を取得し、自ら経営を引き継ぐことを計画しています。
そこで、AはS社の経営権を取得する方法として、以下の2つのスキームを検討しています。
【スキーム①】
Aが自己資金を出資して新たにQ社を設立し、Q社がP社からS社の全株式を金銭を対価として取得する方法です。
ただし、S社の全株式を取得するために必要となる資金については、A自身の出資だけでは不足するため、Q社が金融機関から借入れを行い、その借入金を買取資金に充てることを予定しています。
【スキーム②】
A自身が自己資金を拠出するとともに、金融機関から借入れを行い、その資金によってP社からS社の全株式を金銭を対価として直接取得する方法です。
この場合、A自身がS社の全株式を取得することになるため、株式取得後はAがS社の経営権を取得することを想定しています。
以上のような状況において、AがS社の経営権を取得するために上記いずれかのスキームを実行する場合、会社法その他の法令上、問題となる点や注意すべき事項はありますでしょうか。
特に、P社が多額の債務を抱えており、今後会社清算に向かう見込みであること、P社とS社との間に完全支配関係があること、P社の代表者がS社の代表者を兼任していることなどを踏まえた場合に、AまたはQ社によるS社株式の取得について、会社法その他の法令上の規制や問題となる可能性があるのかをご教示ください。
また、①Q社を設立してQ社がS社株式を取得する場合と、②Aが直接S社株式を取得する場合とで、法的な取扱いや注意すべき点に違いがあるのかについても、あわせてご教示いただけますでしょうか。



