文理解釈とは、法規の文字・文章の意味をその言葉の使用法や文法の規則に従って確定することによってなされる解釈です。

「租税法 第22版」(弘文堂・金子宏)では、「租税法は侵害規範(Eingriffsnorm)であり、法的安定性の要請が働くから、その解釈は原則として文理解釈によるべきであり、みだりに拡張解釈や類推解釈を行うことは許されない」としています。

最高裁判例においても、「租税法の規定はみだりに拡張適用すべきものではない」最高裁 昭和48年11月16日判決、民集27巻10号1333)、「このような租税法律主義の原則に照らすと、租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきものではない」(最高裁平成27年7月17日判決、判例タイムズ1418号86頁)とされ、租税法の解釈は文理解釈が原則であるとされています。

ところが、過去の裁判例には、課税庁が文理解釈を離れて法解釈をしたために、誤った法解釈となり、その結果、更正・決定処分が違法とされたものがあります。

最高裁平成22年3月2日(百選第6版13事件)のホステス源泉所得税事件は、パブクラブを経営する納税者が、使用しているホステスに対して半月ごとに支払う報酬にかかる源泉所得税を納付するに際し、5000円に半月間の全日数を乗じて各月分の源泉所得税額を算出し、それに基づいて計算した額を納付していたところ、税務署長が、半月間の全日数ではなく、実際の出勤日数を乗ずべきであるとして納税告知および不納付加算税の賦課決定を行った事案です。

この事案では、所得税法施行令322条の「当該支払金額の計算期間」が問題となりました。

この「期間」についての法解釈について最高裁は、「一般に、『期間』とは、ある時点から他の時点までの時間的隔たりといった、時的連続性を持った概念であると解されているから、施行令322条にいう『当該支払金額の計算期間』も、当該支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までという時的連続性をもった概念であると解するのが自然であり、これと異なる解釈を採るべき根拠となる規定は見当たらない」「租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきものではなく・・・・『当該支払金額の計算期間』は、本件各集計期間の全日数となるものというべきである」として、納税者勝訴判決を出しました。

このように、租税法規の解釈は、文理解釈を原則とすべきであるにもかかわらず、課税庁が規定の文言を離れて法解釈をする場合には、更正・決定が違法となる場合があることになります。

税務調査において、課税庁職員が、税法の文理を離れた解釈を押しつけてきた場合には、上記判例を指摘し、税法は文理解釈が原則である旨反論が必要かと思います。

今回は、以上です。

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