執筆:弁護士・税理士 谷原誠
税理士の先生より「自己株式を100%取得することの可否」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
顧問先が事業を譲るため、会社の債権債務をきれいにするための方策として、親会社(100%)から自己株式(100%)の買取りで親会社の債権を調整相殺しようと考えています。(仕訳上)役員は代表取締役 1名の法人です。
この場合、持株全額が自己株式になってしまいます。つまり100%自己株式の会社になってしまいます。
この100%自己株式となることは法的には禁止されているのでしょうか。
また、できるとした場合、相続になった場合はどうなるのでしょうか。
回答
会社法の条文上、全株式を取得することは禁止されていません。
しかし、自己株式には議決権がありませんので(会社法308条 2 項)、株主総会決議をすることができず、役員選任も決算承認もできません。
したがって、・・・
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