税理士の先生より「反社条項による契約の解除に関する判断」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
新規顧問先(顧問契約締結済み:反社条項あり)に関し、反社の疑念が発生しました。
契約締結前は、ビジネスマンのような格好だったのですが、契約締結後に顧問先事務所に訪問した際には、反社を疑わせる格好であり、他に出入りしている人たちも反社を疑わせる風貌でした。
そこで、過去の新聞で代表取締役を調べたところ、過去に指定暴力団として逮捕歴があるようでした。
反社条項は、以下のとおりです。
1 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を確約する。
一 自らが、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以下、「反社会的勢力」という)ではないこと。
二 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう)が反社会的勢力ではないこと。
三 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、本契約を締結するものでないこと。
2 甲又は乙の一方について、本契約の有効期間内に、前項の次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告を要せずして、本契約を解除することができる。
この反社条項の確約違反として解約が可能でしょうか。
回答
反社条項は、暴力団排除条例で要求されているので、必ず契約書には入れていると思います。
しかし、実際に発動するのは、他の条項では契約解除あるいは契約解約ができない場合にするのが無難です。
なぜなら、反社条項を理由として契約を解除すると、トラブルになりやすいためです。
たとえば、「その情報と自分は別人だ。名誉毀損ではないか」などとクレームに発展します。
本人確認は、住所、氏名、生年月日等で行うことになりますが、ニュース記事で判明するのは、氏名と年齢くらいだと思います。
そこで、ニュース記事とは別人である、ということがあり得ることになります。
そうなった場合には、紛争に発展することになります。
あるいは、仮に同一人物であっても、「その刑事事件は過去のものであり、現在は反社ではない」などと反論してくることが想定されます。
そうなった場合も立証には困難が予想されます。
したがって、・・・
この記事の全文については、税理士を守る会に入会すると読むことができます。