税理士の先生より「過年度の損益修正と更正の請求期間との関係」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
5 年以前に貸倒損失として認識していた売掛債権があります。
その当時、業績悪化のため貸倒処理せず、今日まできました。 5 年以上たちました。
今期は利益が回復し、貸倒処理ができるだけの利益が出ました。
過去に発生した貸倒処理をすることによって利益を圧縮し、その結果、法人税等が減少し、資金繰りにも好影響で経営者は喜んでいます。
本来は、貸倒れの事実が発生した年度に貸倒処理すべきであると思われますが、しかし、このような事案はよくあることであり頭を悩ますことですが、今回の事案は 5 年以前のことであります。
会計上、処理することは可能ですが、税務上は、更正の請求期間が5 年になっております。
5 年以前の事実は、この更正の請求期間との関係は、どのように解釈すればよいのでしょうか。
回答
実務上、現実的に税理士の先生方によって行われているかどうか別として、以下は、私の理解です。
貸倒損失については、法人税法22条 3 項により、「当該事業年度の損失の額」として「当該事業年度の損金の額」に算入するものとされています。
そして、法人税法基本通達9-6-1は、「事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入」し、9-6-2は、「明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができる」とされています。
そして、9-6-3は、「損金経理をしたときは、これを認める」として、損金経理を要件としています。
いずれにしても、先生のご見解のとおり、通達要件に「該当した事業年度」に損金の額に算入することとされています。
そして、過去の判例では、・・・
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