税理士の先生より「所得税確定申告の譲渡費用」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
兄弟 3 人で、親の土地、建物を 3 分の 1 ずつ共有で相続したものを平成30年に譲渡し、ここで譲渡所得の申告を依頼されました。
小職の方で譲渡費用として計上できるものは仲介料、印紙代だけと説明しましたが、引越し費用をどうしても計上してほしいと言ってきています。
誓約書を書いていただき、希望どおり申告をするか、依頼を断るか、どのようにしたらよいでしょうか。
回答
所得税法第33条は、「資産の譲渡に要した費用」の額を控除すると規定し、その内容については列挙していません。所得税法基本通達33-7は、譲渡費用の範囲について次のように規定しています。
所得税法基本通達33-7 譲渡費用の範囲
法33条第 3 項に規定する「資産の譲渡に要した費用」(以下33-11までにおいて「譲渡費用」という。)とは、資産の譲渡に係る次に掲げる費用(取得費とされるものを除く。)をいう。
⑴ 資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録に要する費用その他当該譲渡のために直接要した費用
⑵ ⑴に掲げる費用のほか、借家人等を立ち退かせるための立退料、土地(借地権を含む。以下33-8までにおいて同じ。)を譲渡するためその土地の上にある建物等の取壊しに要した費用、既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金その他当該資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用(注)譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないことに留意する。
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