農業協同組合の出資金の評価は、財産評価基本通達195条により、原則として払込済出資金額によって評価されると理解しています。しかし、無償増資がある場合は、農協が発行する残高証明書に記載されている次の①~③のどの金額で評価すべきでしょうか。
財産評価基本通達1の評価の原則に従うと、①(課税時期の清算価値という意味では③)になるのではないかと考えています。先生のご見解をお聞かせください。
(仮の金額例)
出資口数 払込残高 備考
100口 100,000円 出資合計
80口 80,000円 うち無償増資分
※持分の払戻見込み額は、無償増資分の源泉所得税を差し引いて99,000円となります。
評価の候補金額は以下の通りです。
1.出資合計 10万円
2.実際の払込金額 2万円(10万円-8万円)
3.無償増資分源泉徴収税額差引後 99,000円
<参考資料>
財産評価基本通達1(評価の原則)
(2)時価の意義
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう。
(3)財産の評価
財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮する。
財産評価基本通達195(農業協同組合等の出資の評価)
国税庁(信用金庫等の出資の評価)