国内法人Aが、持分を有しない法人B(宗教法人、学校法人など)の実質的な経営権を取得しようとしています。
その際、次のような方法を取ることを想定しています。

・既存理事が退任し、契約に基づいて退職金を支給する。
・A社が希望する取締役やその他の指名者を、Bの理事として選任する。

このような経営権取得にあたり、相手先の選定・交渉・契約締結に至るまでの業務をM&A仲介会社に依頼し、紹介料を支払う予定です。

ここで確認したいのは、この紹介料が「自己の便益を受けるために支出する費用」であり、かつ「その支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶもの」として、税務上の繰延資産に該当するかどうかという点です。

A社としては、理事を任命できるという便益は得られますが、任命された理事はあくまでも個人としてBの理事に就任します。
したがって、理事がA社の指示に法的に従う義務はなく、A社に不利益な理事会決議が行われる可能性も否定できません。

このため、M&A仲介会社に支払う仲介手数料を「既存理事交代に伴う任命権取得の対価」とみなす場合、これは単発の支出と考えられ、「支出の効果が支出の日以後1年以上に及ぶもの」には該当しないようにも思われます。

一方で、理事の任期が1年以上である以上、理事を選任する行為自体は1年以上の効果を持つとも考えられます。
しかしながら、その効果がA社にとって継続的な経済的利益として確実に発現するかどうかについては、法的な保証がない状況です。

回答

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