●月決算法人の顧問先より、会計処理の誤りについて指摘を受けており、今後、損害賠償請求へ発展する可能性がある状況です。
現在の状況は以下のとおりです。
【指摘を受けている内容】
売掛金回収時の相手勘定について、本来とは異なり「役員借入金」として処理されている点を指摘されています。
この処理に至った経緯としては、
・売上請求書と入金額に差異があったこと
・資料不足や資料提出遅延が頻繁にあったこと
・顧問先代表および経理担当者とのコミュニケーション不足があったこと
・経理担当者が1年間で4回交代していたこと
などから、入金内容の精査が十分にできない状態でした。
そのため、決算時点で確認できた売掛金残高に合わせる目的で、当該処理を行っています。
なお、担当者は、売掛金が実際に回収済みであるかについて、代表者や経理担当へ確認を行わないまま処理をしていました。
また、実際には売上値引き等の可能性も考えられますが、資料不足等により、現時点では実態解明には至っていません。
【顧問先側が主張する損害について】
現状では、実態そのものが解明できていないため、具体的な損害額も算定できていない状態です。
こちらとしては、必要な資料や情報共有を十分に受けておらず、実態確認に必要な情報提供が不足していたと認識しています。
【業務委託契約書の内容】
業務委託契約書には、以下のような条項があります。
まず、顧問先側の義務として、
・業務遂行に必要な説明資料
・帳簿
・記録その他の資料
について、顧問先の責任と負担において速やかに提供する旨が規定されています。
また、損害賠償については、
「乙の故意または過失により甲に重大な損害が生じた場合の賠償額は、当該業務に関して乙が受領した1年分の報酬額を上限とする」
という内容が定められています。
なお、実際の業務では、
・資料提出の遅延
・こちらからの質問に対する回答遅延
などが先方都合で頻繁に発生しており、申告書作成時点においても同様の状況でした。
【質問】
この案件が実際に係争へ発展した場合、契約書に定めた「損害賠償額は1年分の報酬額を上限とする」という条項は、有効に認められる可能性が高いでしょうか。
また、税理士・会計事務所における同種事案では、実務上、どの程度の損害賠償額で解決するケースが多いのでしょうか。




