A株式会社は、B株式会社へ株式を譲渡する方法によるM&Aを実施することになりました。
A社の資本金は1,000万円で、1株当たりの額面金額は1万円、発行済株式数は1,000株です。現在の株主構成は、甲社長が800株、乙専務が200株を所有しています。なお、甲と乙は親族関係にはありません。
A社の譲渡価額については、純資産価額を基準として1株当たり100万円、1,000株の総額で10億円となる予定です。一方で、A社株式を類似業種比準方式で評価した場合には、1株当たり20万円となります。
今回のM&Aでは、B社の意向により、株式の譲渡に関する窓口を一つにする必要があることから、甲がまず乙の所有する200株を2億円で買い取った上で、その後、甲が所有することとなった1,000株すべてをB社へ譲渡することになりました。
なお、乙に対しては、M&Aが実施されることについて、甲が乙の株式を買い取った後に明らかにする予定です。
また、A社株式の譲渡に係る取得費については、次のように考えています。
・甲については、乙から200株を2億円で取得したことを踏まえ、総平均法による取得費として2億800万円となると考えています。
・乙については、株式の取得費として5%の概算経費を適用し、1,000万円となると考えています。
このように、既存株主の一人である甲が、M&Aの実施を事前に乙へ知らせないまま乙の株式を買い取り、その後、甲が全株式をB社へ譲渡する一連の株式売買取引について、法律上または税法上、何らかの問題が生じる可能性はありますでしょうか。
特に、甲が乙から株式を買い取る際の譲渡価額と、A社株式の評価額との間に大きな差があることや、甲による乙からの株式取得後にM&Aの事実を乙へ明らかにするという取引の進め方について、税務上あるいは法務上の問題がないか確認したいと考えています。



