無申告となっている法人について、期限後の決算書および申告書を作成して申告を行う場合の、役員報酬の取扱いについてご教示ください。

役員報酬が定期同額給与であることを客観的に確認できる資料が何も残っていない場合、無申告状態を解消するための期限後決算書および申告書を作成するにあたり、役員報酬をどのように計上すべきでしょうか。

本人からは、役員報酬について「月額約60万円~約80万円程度だった」と口頭で説明を受けています。

① 役員報酬について、定期同額給与であることを裏付ける資料が一切ありません。

具体的には、以下のような資料が残っておらず、代表者本人の口頭による説明のみとなっています。

・役員報酬を決定した議事録
・給与明細
・源泉徴収票
・法定調書
・源泉所得税の納付書
・定期同額の役員報酬が支払われていたことを確認できる通帳の引き出し記録等

② 実際の資金の引き出しについても、毎月定期的に同額を引き出していたわけではなく、必要な都度、必要な金額を引き出していたという状況です。

また、役員個人についても、以下のような処理が一切行われていません。

・源泉所得税の納税
・年末調整
・個人の所得税の申告等

つまり、法人が無申告であることに加えて、役員個人についても年末調整がされておらず、無申告の状態となっています。

なお、これまでその都度引き出されていた金額について、合計でどの程度になるのかは、現時点ではまだ集計できていません。

③ 仮に役員報酬を計上しない場合、法人税等の負担が多額になることが予想され、結果として法人が破産する可能性があると考えています。

また、法人の通帳から引き出された資金について、役員報酬として計上できなければ、役員貸付金等として扱われる可能性があります。

その場合、法人が破産した際に、破産管財人から代表者個人に対して返還請求等がなされ、個人としてもその請求に対応できず、結果として個人破産に至ることも予想されます。

④ 一方で、役員報酬をいったん計上したものの、税務上、定期同額給与として損金算入することが認められず、加算調整を行うことになった場合には、法人税等だけでなく、役員個人の所得税等も増加することになります。

その結果、法人税等の負担が多額となって法人が破産するだけでなく、役員個人についても納税負担等により破産に至る可能性があると考えています。

税理士は、納税義務の適正な実現を図ることを使命としており、税理士法第1条にその旨が定められています。

そのため、事実と異なる税務書類を作成することは認められず、故意または不注意によって真正でない税務書類を作成した場合には、懲戒処分の対象となり得るものと理解しています。

過去の類似の質問でも取り上げられているとおり、今回のように、

・役員報酬について客観的な資料が存在しないこと
・定期同額で支給されていた事実を確認できないこと
・源泉徴収や年末調整も行われていないこと
・代表者本人の口頭説明しか根拠となる資料がないこと

などを踏まえると、税理士として役員報酬を計上した決算書や申告書を作成することは難しいと考えるべきでしょうか。

その場合、やむを得ず、役員報酬を計上せずに申告を行い、③のような流れとなってしまうことも受け入れざるを得ないのでしょうか。

また、③のような流れとなった場合についても確認したいと考えています。

法人が破産した場合、法人税等を含めた法人に関する債務は、法人格の消滅によってなくなると考えてよいのでしょうか。

一方、法人の通帳から引き出した資金が役員貸付金として残っている場合には、破産管財人から代表者個人に対して必ず請求が行われることになり、代表者個人に返済する資力がなければ、代表者個人についても自己破産に至る可能性がある、という理解でよいでしょうか。

それとも、別の考え方や対応方法があるのでしょうか。

また、例えば、過去の通帳を確認して実際の引き出し額の合計が、代表者から口頭で説明を受けた役員報酬の総額とおおむね一致していることが確認できた場合には、一部について未払となっている可能性があるとしても、役員報酬として計上することは可能でしょうか。

当事務所としては、通帳の引き出し状況などから役員報酬として支給されたことを合理的に確認できるのであれば、そのような方法で役員報酬を計上したうえで期限後申告を進めることが可能なのか、確認したいと考えています。

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