「無報酬でサービスでやってあげた業務でも、
 税理士損害賠償の対象になるか」

という問題を解説します。

「無報酬なのだから、委任契約は
 成立していないのではないか?」

「無報酬なのだから、損害賠償責任は
 成立しないのではないか?」

というような疑問もあると思います。

さて、この点を考えるには、
民法から考えていく必要があります。

税理士の契約については、

最高裁昭和58年9月20日判決

「本件税理士顧問契約は、・・・
 全体として一個の委任契約である」

とされています。

「委任契約」が原則的な契約類型です。

そして、委任契約については、民法648条1項は、

「受任者は、特約がなければ、委任者に対して
 報酬を請求することができない。」

とされています。

つまり、委任契約は、「無報酬」が原則
ということになりますので、無報酬でも
委任契約が成立する、ということになります。

裁判例においても、東京高裁平成7年6月19日判決
(判例時報1540・48頁)は、

「税理士が委任状を徴求し、申告代理をした以上、
 報酬の有無を問わず、委任契約が成立する」

と判断しています。

したがって、無報酬でサービスで税理士業務を
行った場合でも、委任契約が成立し、その業務に
過誤があった場合には、損害賠償責任が発生しうる、
ということになります。

そのようなことから、私は無報酬であっても、

「報酬0円」

と記載した上で、契約書を締結する
ことを推奨しているものです。

税理士を守る会では、税賠防止の条項を盛り込んだ
税理士業務に役立つ書式を用意しています。

書式一覧は以下の通りです。

法人との受任契約書式

税理士顧問契約書(会計帳簿作成せず)
税理士顧問契約書(会計帳簿作成含む)
税理士業務契約書(年一業務会計帳簿作成せず)
税理士業務契約書(年一業務会計帳簿作成含む)
税理士請負契約書(税務代理権限証書は取得せず、確定申告書のみ作成)
債務免除確認書
役員退職給与に関する確認書(過大役員退職金)

個人事業主との所得税業務受任契約書式

税理士顧問契約書(会計帳簿作成含む)
税理士顧問契約書(会計帳簿作成含せず)
年一委任契約書(会計帳簿作成含む)
年一委任契約書(会計帳簿作成せず)
税理士請負契約書
債務免除確認書

個人で非事業主との所得税業務受任契約書式

確定申告代理
確定申告書請負契約書
債務免除確認書

法人個人共通の書式

守秘義務解除承諾書
税務顧問契約解消に関する合意書(原則型)
税務顧問契約解消に関する合意書(依頼者解除型)
税務顧問契約解消に関する合意書(税理士解除型)
示談書
会計業務委託契約書
税務顧問契約書(税務相談のみ受任)
税理士業務契約書(税務調査のみ受任)
税務顧問契約解除の内容証明
消費税各種届出書について説明・同意書
国税ダイレクト方式電子納税(ダイレクト納付)手続代行依頼書及び確認同意書
再委託に関する合意書

会計事務所内で使用する法律書式

職員入所誓約書
会計業務再委託契約書
就業規則雛型
所属税理士・職員退所誓約書
リモートワーク誓約書

相続税・贈与税業務の契約書式

税理士業務契約書(相続税)
相続税申告業務受任にあたっての説明同意書
相続人の全員から署名押印を取得できない場合の委任状
請負契約書(相続税)
税理士業務契約書(相続相談業務)
税理士業務契約書(贈与税)
請負契約書(贈与税)

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