税理士の先生より「資料提出を拒む顧問先への対応」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。

質問

個人事業者の所得税確定申告を受任しております。

個人事業とは別に、対象年度中に自己所有の不動産を貸し付けて不動産収入があることが発覚しました。

不動産所得として申告する必要があることから、不動産収入の入金のある通帳の写しを送るよう言っておりますが、本人は不動産所得ではないと主張し、送ってくる気配がありません。

すでに事業所得分の入力は終わっており、報酬は10月分まで受け取っております。

このまま不動産の資料が送られてこないと申告書を作成できませんので、期限を設けて、その日までに資料の提出がない場合は資料を返還し、本年分の申告は請け負わないことは可能でしょうか。

報酬も少額ですので、返還してもいいと思っています。

なお、契約書は結んでいません。

回答

まず、依頼者に対し、正しい内容の申告書を提出する必要性をご理解いただくための説明およびその説明の証拠化が必要になると思います。

過去の裁判例では、税理士が所得税確定申告にあたって、依頼人に対し申告書作成に必要な原始資料の提出を求めたが、依頼者はこれを拒否し、依頼人の指示する不適法な方法で確定申告をするよう要請され、その旨申告したが、その際、重加算税などの説明をしなかったため、納税を余儀なくされたとして損害賠償を請求され、それが認められたものがあります(前橋地裁平成14年12月 6 日判決・TAINS Z999-0062)。

したがって、・・・

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