〈前提条件〉

〇 被相続人(母親)の相続について、当初の遺産分割協議では下記の通り取得していた。相続人は子ABCの3人。
〇 貸家(アパート)及び貸家建付地(アパート敷地)は、相続人Aが1/3、相続人Bが2/3を取得。
〇 上記の内容に基づき、相続税申告は適切に行われている。

これを相続人全員の合意により解除し、下記の通り取得したい。
〇 貸家(アパート)及び貸家建付地(アパート敷地)は、相続人Aが1/3、相続人Bが1/3、相続人Cが1/3を取得する。

〈調べた内容〉
当初の遺産分割は適法に行われており、遺産分割のやり直しは相続人全員の合意のもとで行われる
遺産分割の合意解除によるやり直しについては、贈与税の課税対象となる可能性がある。

そのため、本件の遺産分割協議のやり直しに関しては、贈与税、登録免許税、不動産取得税の課税対象になることを相続人全員に説明し、了承の上で進めたいとの要望がある。

〈ご相談事項〉

1.遺産分割協議のやり直しに関しては、当初と異なる部分のみを記載すれば問題ないでしょうか。それとも遺産分割協議書のすべての内容を記載したほうがよいでしょうか。

2.相続人Bから相続人Cに持分1/3相当が移転するため、この部分が課税対象になると考えられます。
 なお対象は貸家及び貸家建付地であるため、敷金返還債務の処理も同時に行わないと、負担付贈与による時価での譲渡所得課税(相続人B)と贈与税課税(相続人C)が発生すると理解しています(参考:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/14/08.htm)。

 そこで、遺産分割協議のやり直しの中で、アパート全体の敷金返還債務のうち1/3相当の現金を相続人Bから相続人Cへ支払う旨を記載すれば、負担付贈与には該当しないと考えてよいでしょうか。

3.不動産所得の計算について、当初の遺産分割協議からやり直しまでの期間における不動産所得は、当初の協議内容(Aが1/3、Bが2/3)で計算し、やり直し協議成立日以後は1/3ずつ帰属するという解釈でよいでしょうか。

4.上記資産以外にも、当初の遺産分割で相続人Bが取得した資産の一部を相続人Aや相続人Cが取得するやり直しを検討中。
 ただし現時点では内容がまとまっておらず、相続人からはアパート及び敷地の遺産分割協議やり直しを先行して行い、その他のやり直しは改めて協議したいとの希望がある。

5.遺産分割協議のやり直しを複数回行っても民法上は問題ないが、複数年に渡ると贈与税の課税回避につながる可能性がある。税法上、問題は生じないか。

6.遺産分割のやり直しではなく贈与契約も検討したが、司法書士より「遺産分割協議のやり直しであれば登録免許税が安くなる可能性がある」との回答あり。可能であれば、遺産分割協議のやり直しで処理したい。

回答

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