当税理士事務所では、関与先企業から給与計算業務を受託しており、現在は紙の給与支給明細書を作成して関与先へ納品しています。
一方で、関与先にはリモートワーク勤務の従業員が多く、給与支給明細書の交付方法について、次のような運用ができないか相談を受けています。
・給与明細を閲覧・ダウンロードできるクラウドシステムは導入しないことを前提とする。
・税理士事務所において紙の給与支給明細書をPDF化し、税理士事務所職員のメールアドレスから、各従業員へ給与支給日に給与支給明細書(PDF)をメールで直接送信する。
・従来どおり紙の給与支給明細書についても関与先企業へ納品し、後日、会社から各従業員へ手渡しする。
当事務所としては、このような運用は引き受けない方向で考えていますが、法的なリスクを整理したいと考えています。
【質問】
<税理士事務所が従業員へ直接給与支給明細書を送付することの適法性>
給与支給明細書は、所得税法第231条に基づき、給与の支払者が交付すべき書類であると理解しています。
その場合、給与計算業務の受託者である税理士事務所が、会社に代わって従業員へ給与支給明細書を直接メール送信する運用は、法的に問題ないのでしょうか。
また、このような送付方法を採る場合、会社から税理士事務所への委任や従業員の同意など、必要となる手続きがあれば併せて教えていただきたいです。
<個人情報・情報セキュリティに関する責任>
給与支給明細書には、氏名、給与額、各種控除額など、重要な個人情報や機密情報が記載されています。
そのため、税理士事務所の職員が使用するメールアドレスから送信する場合、誤送信などのヒューマンエラーが発生するリスクも懸念しています。
例えば、誤った宛先へ給与明細を送信してしまった場合、給与計算受託者である税理士事務所には、どのような法的責任が生じる可能性があるのでしょうか。
具体的には、次のような点についてご教示いただきたいです。
・関与先との契約(守秘義務条項や業務委託契約)に違反したことによる契約上の責任
・従業員から、個人情報保護法や不法行為などを根拠として損害賠償請求を受ける可能性
・そのほか、税理士事務所として想定しておくべき法的リスクや留意点
以上について、ご教示いただけますと幸いです。




