IT関連事業を営む顧問先企業において、新たに採用したすべての従業員を対象として、スキルアップおよび能力判定を目的に、NTTの関連会社が主催する資格試験を受験させています。
会社から従業員に対しては、「合格を目標とするものの、不合格であったことを理由として、解雇や減給などの不利益な処遇をすることはない」と明確に説明しています。また、資格試験の受験を新規採用の条件とはしていません。
試験に関する費用については、1回目の受験に必要となる書籍の購入費用および試験費用は会社が全額負担し、2回目以降の受験費用については本人負担としています。
今回、5名の従業員が受験したところ、そのうち1名のAさんから、以下のような主張がありました。
・採用時に資格試験を受験することが条件とされていなかったので、受験を求めること自体が問題ではないか。
・会社から強制的に受験を求めることは違法ではないか。
・2回目以降の受験費用を本人に負担させることも違法ではないか。
・自分のペースで勉強することには異論はないが、休憩時間や休日まで勉強したくない。
・勉強が必要なのであれば、会社が勤務時間中に勉強するための時間を与えるべきではないか。
という内容です。
Aさんは、物理的な作業については問題なく対応できていますが、エンジニアとして必要となる知識が不足しており、現時点では一人前のエンジニアとして業務を任せられる状況には至っていないと会社では判断しています。
会社としては、資格試験の受験をめぐる今回のAさんの主張や、現在の業務能力などを踏まえ、Aさんを解雇したいと考えています。
そこで、以下の点についてご教示いただきたいです。
1.会社が、スキルアップや能力判定を目的として、従業員に資格試験の受験を求めることについて、法的な問題はないでしょうか。
2.1回目の書籍代および受験費用を会社が全額負担し、2回目以降の受験費用を従業員本人に負担させることについて、問題はないでしょうか。
3.資格試験のための勉強について、従業員が「休憩時間や休日には勉強したくない。会社が勤務時間中に勉強時間を与えるべきだ」と主張した場合、会社としてどのように対応するのが適切でしょうか。
4.Aさんは現状、エンジニアとして必要な知識が不足しているものの、物理的な作業自体はできているという状況です。このような場合に、Aさんの能力不足や勤務態度等を理由として解雇するためには、どのような対応や手順を踏む必要があるでしょうか。
また、今回の資格試験の受験をめぐる問題をきっかけとして解雇した場合に、後日、Aさんから不当解雇などと主張されるリスクについても懸念しています。
会社として解雇を検討する場合に、事前に行っておくべき指導・記録・改善機会の付与など、できるだけトラブルを避けながら適切に対応する方法がありましたら、ご指導・ご助言をお願いいたします。




