税理士の先生より「支配株主の死亡により株主総会決議ができない場合の決算」について、
税理士を守る会でご質問をいただきましたのでご紹介いたします。
質問
顧問先の大株主兼先代社長が亡くなりました。被相続人の株式保有割合は51%であり、相続人だけで株主総会決議ができません。
このような状況下で配当を支払いたいという申出がありました。
決算確定の承認、役員報酬、配当の決議は相続人の議決権が49%なので、遺産分割協議をしなければ、株主総会決議ができません。
相続人間は必ずしも仲がよくないので、遺産分割協議ができておらず、決算ができない状態で申告書は有効になるでしょうか。
また、役員報酬、配当決議は可能でしょうか。事前確定届出給与を支給することは可能でしょうか。どのように対応したらよいか教えてください。
回答
遺産分割ができない、ということであれば、定款で決議要件を緩和していない限り、株主総会の普通決議をすることができません。
株式は相続によって準共有となり、会社法第106条に該当するので、相続人間で株主としての権利を行使する者を決定し、会社に通知することが必要です。
会社法第106条
株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。
今回は、上記の通知ができないことを前提にします。
以上を前提にした場合・・・
さらに詳しくは「税理士を守る会(初月無料)」にて解説しています。