税務実務の現場で、よく聞かれる声があります。
「この処理、どっちが有利ですか?」
「選択肢としては複数あるけど、税額の違いってどのくらい?」
「このケース、気をつけるべきポイントって何?」
条文や通達の理解は進んできた。計算もできるようになった。
でも「実際に有利なのはどっち?」という判断になると急に不安になる──これは、実務家にとって非常に“あるある”な課題です。
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判断を迫られるのは「細かい制度」ではなく「具体的な場面」
たとえば、法人が自社株を買い取る場面。あるいは、兄弟会社間の資産移転、グループ通算制度の適用有無、役員退職金の支給時期の選定。
それぞれに制度的な選択肢はあっても、その選択が「本当に有利かどうか」は、前提条件や隠れた要因次第で大きく変わるのが現実です。
しかも、その違いを見抜けなかったばかりに、結果的にクライアントに多額の税負担を強いてしまうということも、決して珍しくありません。
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税務の“勝負どころ”は、制度理解のさらに先にある
税理士や会計士が最も求められるのは、制度をなぞることではなく「有利・不利を見極める力」。
しかし、この力は経験だけでは身につかず、論点を見抜く目や、想定される落とし穴を網羅的に整理しておく必要があります。
特に、次のような視点は判断を誤らないために不可欠です
•税額シミュレーションに入る前に確認すべき「前提条件」
•一見有利に見えても、将来的に不利転換する「盲点」
•実務上はあまり知られていない「レアケース」
•クライアントに説明しやすい「モデル事例」や「簡易比較」
こうした視点を日常の思考回路に組み込むだけで、相談への対応力が格段に上がり、税務判断の精度も高まります。
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実務の“迷いどころ”を先回りして整理しておくには?
こうした判断力を鍛えるには、やはり実務からのフィードバックが欠かせません。
現場で頻繁に寄せられる質問や悩みをベースに、不動産税制・資本政策・組織再編・個人資産税・消費税等、幅広いジャンルの「有利・不利」を徹底的に整理した実務書が、最近形になっています。
教科書の知識では答えられない“選択のリアル”。
その一歩先の判断力が、明日の実務に大きな差を生むかもしれません。