以下の前提のもと、ご相談させていただきます。
【前提】
事業会社の発行済株式は200株で、そのうち自己株式が80株、ホールディングス会社(以下「HD会社」)が39株を保有しています。残る株式については、個人オーナーである兄弟が保有しており、自己株式およびHD会社保有分を除いた割合は、A氏(兄)が約70株(約3分の2)、B氏(弟)が約35株(約3分の1)です。
HD会社の発行済株式は300株であり、A氏(兄)が約200株(約3分の2)、B氏(弟)が約100株(約3分の1)を保有しています。
つまり、兄弟個人としての持株割合は、HD会社および事業会社の双方において2:1で同一割合となっています。
今後、事業会社からの配当金をHD会社で受け取り、益金不算入の適用を受けることを目的として配当を実施する予定です。
しかし、事業会社から個人株主へ配当を行うと総合課税の対象となるため、個人株主への配当は避けたいと考えています。そのため、種類株式を設定し、HD会社のみに配当を行う方法を検討しています。
【質問】
この件について、事業会社のメインバンクであるメガバンクの担当者より、提携税理士の見解として、「種類株式を用いて特定株主のみに配当を行う場合、みなし贈与のリスクがある」との指摘を受けています。
その根拠として示された資料は、税理士・掛川雅仁先生による「配当優先の限界」(Profession Journal No.12/2013年3月掲載)という記事です。
当該記事も確認しましたが、そこでは個人間での利益移転が生じるケースを前提として議論されているものと理解しました。
本件では、事業会社とHD会社のいずれにおいても、兄弟の持株割合は2:1で一致しており、実質的な利益移転は生じないと考えています。そのため、みなし贈与の問題は発生しないのではないかと考えております。
このように種類株式を設定し、個人株主に配当を行わない場合、実務上、みなし贈与が問題となる可能性はあるのでしょうか。
仮にリスクがあるとすれば、HD会社が事業会社株式を100%取得するまで配当を実施しない対応が必要になるとも考えられます。
銀行側としては、「リスク回避のために株式買取資金を融資するので、100%取得してはどうか」という意図もあるのではないかと推測しております。
先生のご経験に基づくご意見や実務上の見解、また本件に関する有効なアドバイスがございましたら、ご教示いただけますと幸いです。




