顧問先である地主が所有する土地について、借地人が長期間にわたり地代を支払っていません。
土地の状況は以下のとおりです。
・固定資産税評価額:約800万円
・相続税評価額:約1,000万円
・借地権割合:60%
借地人は、3年以上にわたり地代を滞納しており、未払地代は約80万円となっています。
そのため、地主は借地契約を終了させ、借地人が保有する建物および借地権を無償で取り戻す方向で話を進めています。
この案件を担当している弁護士からは、当該建物および借地権を、地主の娘が代表者かつ株主である同族会社に取得させる方法を提案されています。
私の理解では、未払地代という債務を伴う借地権を法人が取得すること自体は可能であると考えています。
一方で、借地権の評価については、
・借地権割合60%
・相続税評価額約1,000万円
を前提とすると、借地権評価額は約600万円程度になるものと考えられます。
そのため、評価額約600万円の借地権を、未払地代約80万円の負担のみで法人が取得した場合には、負担付贈与に類似した問題が生じるのではないかと考えています。
そこで、税務上は、
・借地人が法人に対して借地権を時価で譲渡したものと取り扱う
・法人は時価と負担する未払地代との差額について経済的利益を受けたものとして処理する
という考え方になるのでしょうか。
【建物の状況】
なお、借地上の建物については、従前は第三者へ賃貸していましたが、その賃借人が夜逃げしたため、現在は次のような状態となっています。
・残置物が多数残っている
・建物の破損箇所が多い
・利用するためには大規模修繕が必要
・修繕費は約500万円程度を見込んでいる
さらに、
・狭隘道路に接している
・再建築が容易ではない
という事情もあり、現状では建物を継続利用するために大規模修繕が不可欠な状況です。
そのため、借地権および建物の時価を算定する際には、修繕費相当額約500万円や物件固有の瑕疵を考慮し、通常の評価額から減額した金額を時価として評価することが可能かについても検討しています。
【質問】
このような事案において、
・借地人から同族会社への借地権・建物の移転は税務上どのように取り扱われるのか
・未払地代のみを負担して取得した場合、受贈益や贈与の問題は生じるのか
・借地権および建物の時価算定において、修繕費や再建築困難性などの個別事情をどの程度反映できるのか
について、ご教示いただけますでしょうか。




