美容師への報酬について、外注費として取り扱うことができるかどうか、また、その判断に関する税理士の責任について質問があります。
【前提】
事業主は、業務委託契約に基づき働く美容師(以下「美容師」といいます。)に対して、報酬を支払っています。
当該美容師との契約および実際の勤務状況は、以下のとおりです。
・美容師の報酬は、固定給ではなく、売上に一定の割合を乗じて計算する出来高制となっています。
・美容師は、施術を行っていない時間については自由に過ごすことができます。
・勤務日数についても美容師本人の判断に委ねられており、自由に決めることができます。
・ハサミなど、施術に必要となる道具については美容師自身が準備しています。
・有給休暇や退職金の制度はありません。
・社会保険への加入もありません。
・事業主と美容師との間では業務委託契約書を作成しています。
・美容師からは報酬に関する請求書が発行されています。
・一部の美容師については、当該事業主とは別の事業者とも業務契約を締結しています。
・施術に使用する材料については、事業主が仕入れたものを使用しています。
・顧客に対する施術料金などの単価設定については、事業主が定めた基準に準じています。
以上のような状況から、当該美容師に対して支払う報酬については、給与ではなく外注費として取り扱うことができるのではないかと考えています。
ただし、材料を事業主が用意していることや、料金の単価設定について事業主が定めた基準に従っていることなど、給与と外注費のいずれの判断要素とも考えられる事情が含まれているため、以下の点についてご意見を伺いたいです。
【質問】
① 上記の前提条件からすると、美容師への報酬は外注費に該当すると考えています。
一方で、美容師に支払われる報酬について、給与所得に該当するのか、それとも事業所得に該当するのかが争点となった裁決や裁判例があれば、ご教示いただきたいです。
特に、業務委託契約書の存在、請求書の発行、出来高制による報酬、勤務日数の自由度、施術道具の自己負担などの事情を踏まえ、給与所得または事業所得のいずれに該当すると判断された事例があれば参考にしたいと考えています。
② 給与と外注費の区分については、個別の事情を総合的に勘案して判断する必要があることは理解しています。
しかし、今回のように、給与と外注費のいずれの判断要素も含まれている事案において、税理士として外注費と判断して処理したものの、後日、税務調査等において給与に該当すると指摘された場合、消費税や源泉所得税について追加の納税が発生する可能性があります。
このような場合、税理士が行った外注費という判断について、税賠責任の対象となる可能性はあるでしょうか。
また、契約内容や実際の業務形態を確認した上で合理的に外注費と判断したものの、課税庁が異なる判断をした場合にも、税賠の対象となる可能性があるのかについても伺いたいです。
③ 税理士が上記のような事情を踏まえ、外注費に該当すると判断して会計処理および税務申告を行った後、税務調査において課税庁から給与に該当すると認定された場合について質問があります。
この場合、税理士について、「故意に、真正の事実に反して税務代理若しくは税務書類の作成」を行ったものとして、懲戒処分の対象となる可能性があるでしょうか。
今回のように、給与と外注費のいずれに該当するかについて判断の余地があり、税理士として外注費に該当すると判断した結果、後日、課税庁から異なる判断を受けたという事情だけで、故意に真正の事実に反する税務処理を行ったと評価されるのかが気になっています。
また、万が一の税賠リスクに備えるため、顧問先との間で債務免除確認書などを作成することも検討しています。
しかし、そのような確認書を事前に作成していること自体が、税理士側が税務処理に問題があることを認識していた、あるいは課税庁から給与と判断される可能性を認識しながら外注費として処理したとして、税理士の「故意」を推認する事情とみなされる可能性があるのではないかという懸念もあります。
このようなケースで、税賠リスクへの対応として債務免除確認書を作成することが適切なのか、また、確認書の作成以外に税理士として行っておくべき確認や記録、顧問先への説明など、税賠リスクを抑えるためにどのような対応が考えられるかについても、ご意見を伺いたいです。




