顧問契約書のうち、消費税の届出に関する条項について、現在、顧問先と内容の調整を行っています。
当初、顧問先からは、消費税に関する事実が発生した場合の連絡時期について、「可能な限り発生時までに」という文言を追加したいとの要望がありました。
また、顧問先からの報告がなかった場合に、こちら(乙)が「報告がなかったことを前提として業務を処理する」旨の規定については、削除したいとの意向が示されました。
そこで、こちらとしては妥協案として、顧問先から報告がない場合には、報告がないことを前提として業務を処理できる旨の規定を残す一方で、連絡のタイミングについては顧問先の希望どおり「可能な限り発生時までに」という表現を残す形で提案しました。
ところが、その後、顧問先から下記のような修正案が提示されました。
今回の修正案について、特に気になっている点が2つあります。
1つ目は、「次の事態が発生するとき」ではなく、「次の事態が発生した」という過去形の表現になっている点です。このような文言に変更することによって、報告義務の発生時期や契約上の責任について、何らかの違いが生じるのではないかと考えています。
2つ目は、「容易に推知することができた」という表現が、実際にはどの程度の事情を指すのかという点です。どのような場合に「容易に推知することができた」と認定されるのかが明確ではなく、税理士側にとって、どの程度まで顧問先の状況を把握しておく必要があるのかが気になっています。
顧問先は年商が数千万円程度の会社で、消費税については簡易課税を採用しているため、今後、消費税の届出について検討が必要となる可能性があります。
このような事情を踏まえ、顧問契約書の条項について、どのような形で修正を進めるのが適切でしょうか。
特に、「容易に推知することができた」という文言について、実務上、そう簡単には認定されないような限定的な意味合いであれば、税理士側のリスクはそれほど大きくないものとして、現在の文言のまま受け入れてもよいのかとも考えています。
提示された条項は、以下のとおりです。
第8条 (消費税申告についての報告と説明)
1.甲が乙に対して消費税申告に関する相談あるいは消費税申告手続の委任をし、次の事態が発生したときは、可能な限り発生時までに、乙に対して報告を行うものとし、当該報告がなかった場合には、乙は、これがないものとして委任業務を処理することができる。
ただし、乙が次の事態が発生したことを容易に推知することができたにもかかわらず、これを看過したときはこの限りではない。




