昨年の春に上場した法人の創業者であり、代表取締役社長でもあるX氏の所得税について、現在、税務調査が行われています。
今回の税務調査への対応について、アドバイスをいただきたいです。
X氏は、当該法人が上場した際、自己が保有していた株式をブックビルディング方式によって譲渡しており、この株式譲渡取引については、YYY証券会社がすべて引き受けています。
初回の税務調査では、スマートフォンのアプリ上で銀行口座の入出金明細を提示し、株式の譲渡代金が入金されていることを確認しました。その際、X氏自身も、当該入金が保有株式を譲渡したことによる代金である旨を説明しています。
なお、今回の株式譲渡は特定口座での取引ではなかったため、源泉徴収は行われていませんでした。そのため、株式の譲渡代金は、全額がX氏個人の銀行口座に入金されている状況でした。
X氏は非常に多忙であり、今回の取引についても、(その後、昨年中に譲渡した株式の分も含めて)すべて特定口座を通じた取引であると思い込んでいたようです。そのため、株式譲渡に関する税金についても、すでに納付が済んでいるものと認識していたとのことです。
現在、税務署は重加算税の適用を検討しているような姿勢を見せており、税務調査は引き続き行われています。
しかし、実際のところ、X氏は税務に対する関心や認識が十分ではなかったという面はあるものの、所得を意図的に隠したり、脱税したりする意思は一切ありませんでした。
税務署からは、改めてX氏に対する聴取を行いたいとの要請があり、現在、2回目の調査日程を調整しているところです。
なお、税務調査の連絡を受けた直後、実地調査が始まる前の段階で、令和●年分の株式譲渡が判明したため、速やかに修正申告を行っています。当事務所では、例年、X氏の給与所得と合算する形で所得税の確定申告を行っています。
この修正申告を行うに当たっても、X氏に対して「ほかに申告すべき所得はないか」と念入りに確認しましたが、X氏からは、ほかに申告が必要な所得はないとの認識に基づく回答がありました。
税務署側は、当然ながら当該株式譲渡の事実を把握していたものと思われますが、私ども当事務所としては、実際に税務署の臨場調査を受けた際に、初めて当該取引の存在を認識したという経緯です。



