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2014年5月20日に施行された新法「自動車運転死傷行為処罰法」関連の事故で、今度は「無免許過失運転致傷罪」(無免許運転による加重)が適用された事故が起きてしまいました。
事件はこうして起きた
「無免許で車運転の16歳少年、軽傷ひき逃げで逮捕」(2014年6月8日 産経新聞)
無免許運転で相手車両の男性にケガを負わせたまま逃げたとして、滋賀県警守山署などは、建設作業員の少年(16)を自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致傷)の疑いなどで逮捕しました。
報道によると、少年は滋賀県野洲市の県道で軽乗用車を運転中、信号が赤色点滅だった交差点に進入し、トラックと出合い頭に衝突。
トラックを運転していた男性(46)の両足に軽傷を負わせながら、救護措置を取らず現場から車で逃げ去ったということです。
リーガルアイ
「無免許運転による加重」は、今回「自動車運転死傷行為処罰法」の中に新たに加えられた犯罪類型です。
「自動車運転死傷行為処罰法」についての詳しい解説についてははこちら⇒http://taniharamakoto.com/archives/1236
「無免許運転による加重」は、以下の罪を犯した者が事故を起こした時に無免許だった場合に成立するもので、罪が重くなります。
〇危険運転致傷罪(死亡の場合や、「進行を制御する技能を有しない」犯罪類型を除く。死亡の場合を除くのは、すでに最高刑が規定されているため)
〇準危険運転致死傷罪
〇過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
〇過失運転致死傷罪
無免許のよる重大事故が発生したにもかかわらず、これまでは、「自動車運転過失致死傷罪」と「道路交通法違反」という軽い罰則しか科せられず社会的批判が高まっていました。
そこで今回、世論の後押しもあって新たに規定されたのが、この「無免許運転による加重」です。
運転する技術があれば、たとえ無免許でも刑罰は軽くなっていたのが従前の規定でした。
しかし、無免許運転は、基本的な交通ルールの無視という規範意識の低さと、さらにはそれ自体が非常に危険な行為であるために厳罰化となったわけです。
それぞれの刑罰は、無免許運転による罪が加重されると、最高刑は次のようになります。