自社でソフトウェアを開発・販売している法人における、ソフトウェア制作に関する会計処理について確認したい点があります。
顧問先の法人は、自社でソフトウェアの研究開発を行い、完成した製品(ソフトウェア)を販売しています。自社制作ソフトウェアの取得価額については、一般に、当該資産の制作のために要した原材料費・労務費・経費および、事業の用に供するために直接要した費用をもって構成されるものと理解しています。
また、ソフトウェアの制作過程は、大きく「研究開発フェーズ」と「製品マスター制作フェーズ」に区分できると考えています。最初に製品化された製品マスターが完成するまでの工程は研究開発活動に該当し、この段階までに要した費用は研究開発費として処理し、その後の製品マスターの機能強化や改良に係る制作費については、ソフトウェアとして資産計上する、という理解です。
これらを前提として調査を進めましたが、判断に迷っている点が2つあります。
まず1点目です。
当該法人は、役員2名のみで構成されており、その2名がソフトウェア開発業務にも直接関与しています。そのため、ソフトウェア開発に係る人件費は、形式上は役員報酬となります。
この場合、製品マスター制作フェーズに対応する役員報酬について、ソフトウェアの取得価額として資産計上することは可能なのか、という点について判断に迷っています。仮に資産計上した場合、決算書上、役員報酬が定期同額給与に該当しない形になるのではないかという懸念もあります。
なお、仮に役員報酬の一部をソフトウェア勘定に計上できるとした場合には、開発に従事した時間を記録し、その時間に対応する役員報酬額を合理的に按分して計上することを想定しています。
次に2点目です。
顧問先では、ソフトウェアに関連する特許を複数取得していますが、いずれも他社から取得したものではなく、自社の研究活動により取得したものです。自社研究により取得した特許については、原則として特許権として資産計上するのではなく、その支出を行った事業年度の損金に算入するという取扱いになると理解しています。
そこで、次の点について確認したいと考えています。
取得した特許が、特定の一つのソフトウェア製品のみに適用される場合、その特許取得に係る費用を当該製品のソフトウェア勘定に含め、取得価額として資産計上することは可能なのか。
また、特許が複数のソフトウェア製品に共通して適用されている場合には、合理的な金額配分が困難であることから、ソフトウェア勘定としての資産計上は難しいと考えるべきか。
以上の点について、実務上の考え方や留意点をご教示いただきたいと考えています。




