不動産の譲渡に伴う取得費の取扱いについてご相談いたします。
【前提】
居住者である甲(以下「甲」といいます。)は、平成13年に土地付き建物(賃貸物件)の共有持分1/2を、母からの相続により取得しました。
なお、残りの共有持分1/2については、甲の兄弟である乙が同じく相続により取得しています。
その後、甲と乙は以前から関係が悪く、平成24年に甲が乙に対して当該不動産について共有物分割の申立てを行いました。
その結果、裁判所は「甲が乙に対して約2,000万円を支払うことを条件として共有物を分割する」という内容の決定を行い、この決定が確定しました。
なお、裁判所は、この共有物分割について「全面的価格賠償の方法による共有物分割を採用する」としています。
この決定を受け、甲は乙に対して約2,000万円を支払い、当該不動産の権利をすべて取得しました。
また、登記簿上の原因については「共有物分割」と記載されています。
なお、甲はこの裁判手続において、弁護士費用として約200万円を支出しています。
その後、今年になり、甲は当該不動産を第三者へ譲渡することとなりました。
母から相続により取得した共有持分1/2については、取得時期が古いため、取得費の特例を利用する予定です。
一方で、乙から取得した共有持分1/2について、乙へ支払った約2,000万円を譲渡所得計算上の取得費として認めることができるのかについて判断に迷っています。
全面的価格賠償による共有物分割が、実質的に売買と同様に考えられるのであれば、以下の取扱いが可能ではないかと考えています。
【質問1】
全面的価格賠償による共有物分割において、甲が乙へ支払った約2,000万円の金銭は、不動産の取得費として算入することができるのでしょうか。
共有物分割という形式ではありますが、実質的には乙の共有持分を取得するための対価とも考えられるため、譲渡所得における取得費として取り扱えるかについてご教示ください。
【質問2】
当該共有物分割の裁判手続において支出した弁護士費用約200万円について、所得税基本通達38-2の「所有権等を確保するために要した訴訟費用等」に該当し、取得費として計上することは可能でしょうか。
全面的価格賠償による共有物分割の法的性質を踏まえ、上記①・②の取扱いについてご教示いただけますでしょうか。




