車両信託基本協定書
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この書式は、車両信託基本協定書のひな形です。
書式の一部抜粋(本文)
車両信託基本協定書
○○株式会社(以下「甲」という)、○○株式会社(以下「乙」という)並びに○○信託銀行株式会社(以下「丙」という)の三者間の合意によりこの協定を締結する。
第1条 乙は末尾記載の車両を甲の注文に基づき甲の指示する仕様の通り製作の上、当該車両を甲に対する売却並びに売却に至るまでの賃貸を目的として丙に信託するものとする。
第2条 丙は前条車両の信託を引受けたる後直ちに甲に対し当該車両を賃貸するものとし、甲は賃貸借契約期間満了のとき、これを丙より購入するものとする。
第3条 第1条に定める信託のための車両の引渡し及び前条に定める賃貸のための車両の引渡しは、甲の指定する場所において甲、乙、丙三者立会の下に同時にこれを行うものとする。
第4条 甲は、車両に瑕疵があるときは、第1条に基づき甲及び乙の間で別途締結される車両製造契約により乙に対しその修補を請求し、又はその修補とともに甲の受けた損害に対しその賠償を請求することができる。丙は上記の瑕疵につき甲に対し責任を負わない。
第5条 車両の引渡し後、当該車両につき天災不可抗力その他又は丙の責に帰することができない事由により生じた損害はすべて甲の負担とする。
第6条 甲、乙及び丙は、自己又は自己の代理人若しくは媒介をする者が、現在、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなったときから5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者(以下これらを「暴力団員等」という。)に該当しないこと、および次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを相互に確約する。
一 暴力団員等が経営を支配していると認められる関係を有すること
二 暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること
三 自己、自社もしくは第三者の不正の利益を図る目的または第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有すること
四 暴力団員等に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること
五 役員または経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有すること
2 甲、乙及び丙は、前項の確約に反して、相手方又は相手方の代理若しくは媒介をする者が暴力団員等あるいは前項各号の一にでも該当することが判明したときは、何らの催告をせず、本契約を解除することができる。
3 甲、乙及び丙が、本契約に関連して、第三者と下請け又は委託契約等(以下「関連契約」という。)を締結する場合において、関連契約の当事者又は代理若しくは媒介をする者が暴力団員等あるいは1項各号の一にでも該当することが判明した場合、他方当事者は、関連契約を締結した当事者に対して、関連契約を解除するなど必要など措置をとるよう求めることができる。
4 甲、乙及び丙が、関連契約を締結した当事者に対して前項の措置を求めたにもかかわらず、関連契約を締結した当事者がそれに従わなかった場合には、その相手方当事者は本契約を解除することができる。
この協定書は3通これを作成し、甲、乙、丙各1通保有する。
令和○年○月○日
書式内で注意すべきポイント
注1 信託とは、「特定の者が一定の目的(専らその者の利益を図る目的を除く。)に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすることをいう。」(信託法2条1項)
注2 信託のうち本協定書は、車両信託に関する協定書である。車両信託は、車両会社(本協定書でいう乙)が、その車両を営業受託会社(本協定書でいう丙)に信託し、丙は鉄道会社(本協定書でいう甲)にそれを賃貸する形をとり、賃料の中に代金の償却部分を含ませて、甲が償却するとともに車両の所有権を甲に帰属させることにする(したがって、実質は所有権留保の割賦販売である)。他方、委託者たる乙は、同時に受益者となり、受益権を担保として融資を受けたり、受益権の一括譲渡又は分割譲渡によって資金を回収するものである。
注3 車両のような動産信託契約は、委託者であるメーカーと信託銀行等の受託者との間で締結され、ユーザーは直接の当事者ではないが、ユーザーは動産信託に基づき信託銀行との間に締結される賃貸借契約の賃借人となる者であり、動産信託契約とこれに基づく賃貸借契約とは両者一体となって初めて意味のあるものである。そこで、動産信託契約と賃貸借契約の締結に先立ち、メーカー、ユーザー、信託銀行の三者において、これらの契約に関する基本協定を締結しておく必要があり、これが基本協定書である。細かな取り決めは契約書においてなされる。
注4 ・・・・・
注5 ・・・・・