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「会計」と「ファイナンス」の違いとは?


実務では、「ファイナンス」という言葉をよく耳にしますが、「会計」とファイナンスは同じものと考えてよいのでしょうか?


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

実務では、「会計」と「ファイナンス」ということばを良く耳にされると思います。

両者について、似ているようなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、じつは全く異なる概念です。

会計とファイナンスの違いとは?

「会計」は、企業の経営成績や財政状態を株主や投資家に対して公表するためのものです。よって、その対象は過去情報となります。

企業においては、過去の事実を公表することなので、例えば3月決算の場合、「決算書」の中の「損益計算書」であれば4月1日~3月31日の期間報告であり、決算日は3月31日一時点の報告となっているのです。

一方、「ファイナンス」では時間軸を未来において、企業価値の最大化のために、「将来キャッシュ・フロー」を分析し、資金調達や投資の意思決定をしていきます。
例えば、海外への進出や新規事業の参入などで用いられる考え方がファイナンスです。

日本語では、「ファイナンス=財務」と訳され、会社の中では銀行対応という印象があるかもしれませんが、資金の調達と投資、運用などを幅広く考える活動なのです。

会計とファイナンスそれぞれの視点

また、会計では資産の評価や利益を重要視します。
一方、ファイナンスではキャッシュを重要視します。

このように会計とファイナンスでは、その目的や時間軸、重要視する指標などが異なります。

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例えば、製造業で工場の原価計算を実施するのは会計の視点です。

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